翔太郎秘書官の次はいとこの宮沢財務大臣
来週にも内閣改造があるようです。岸田首相が最近閣僚や自民党幹部とランチを共にしたと言う報道が見られますが、これは内閣改造に当たって留任をアナウンスしたり、要望を聞いたりしているものと思われます。この中で西村経産大臣および高市大臣とランチを共にしたのは、留任を伝えたものと思われます。西村経産大臣は岸田内閣の肝である産業強化政策を鋭意実行していますし、高市大臣は経済安全保障担当大臣として次の通常国会に経済安全保障法改正案を提出し成立させるという大仕事が残っています。
今回の内閣改造についてマスコミでは、マイナンバーカードと保険証の一体化を強引に進めた結果不具合が続発し国民の反発を買っているデジタル庁担当の河野大臣が交代するか否かが注目されていますが、岸田首相の最大の狙いは別のところにあります。それは岸田首相のいとこ(岸田首相の母方のいとこ)である宮沢洋一自民党税制調査会長(宮沢議員)を財務大臣にすることです。宮沢議員の伯父は宮沢喜一元首相であり、宮沢議員と同じく大蔵省に入省し大蔵大臣を務めています。この関係から宮沢議員にとっても財務大臣就任は悲願であり、岸田首相もこのことは重々承知のことと思われます。
宮沢議員は岸田首相誕生によって自民党税制調査会長という要職に就任し、岸田首相の隠れたブレーンとなっています。岸田首相が防衛増税を譲らなかったのは宮沢議員の存在があったためと思われますし、日銀総裁とNHK会長人事も宮沢議員の推薦を受けてのものと考えられます(植田日銀総裁と宮沢議員1歳違いで、ボストン留学も同じ時期。植田氏は大蔵省財政金融研究所勤務の経験もあり宮沢議員とは旧知と思われる。NHK稲葉会長は宮沢議員の中高(東京教育大学付属)の同級生)。これを見ると岸田首相にとって宮沢議員は重要な存在であり、宮沢議員を財務大臣にすることは岸田首相の悲願でもあると思われます。来年秋には自民党総裁任期が来ることから、宮沢議員を確実に財務大臣にする機会は今回の内閣改造しかありません。岸田首相が首相の権限の中で一番魅力を持っているのは人事権であり、これは昨年10月周囲の批判が予想される中息子の翔太郎氏を首相秘書官にしたことに良く表れています。翔太郎氏は首相公邸不適切写真問題で自ら辞任しましたが、岸田首相としては自分が首にしない限り翔太郎氏を首にできる人はおらず、最後まで守るつもりだったと思われます。次に岸田首相が不退転の決意で行使する首相人事権が宮沢財務大臣任命です。これが今回の内閣改造における岸田首相最大の狙いであり、かつ内閣改造の唯一の狙いと言っても良いかも知れません。また身内人事が発動されます。