ジャニーズ事務所がBMでテレビ局が損保ジャパンの構図

ジャニーズ事務所の性加害事件(ジャニーズ事件)に沈黙を決め込んでいたテレビ局の動きに変化が出てきました。原因はスポンサー企業がジャニーズ事務所所属タレント出演の広告を中止したり、番組提供を見直す動きを始めたからです。スポンサー企業としてはこのまま広告や番組提供を続けたらテレビの視聴者から性加害を容認している企業と見做され、売上や企業イメージが落ちることが予想されますから、当然の動きです。テレビ局が当初沈黙を決め込んだのは、これらの動きはないと予想していたためで、テレビ局の意識が社会と相当ズレていることが分かります。しかしテレビ局はまだ反省している振りをしているだけであり、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ作戦です。それは各局の対応がジャニーズ事務所に社名の変更と被害者の救済を申し入れたことのみであることから分かります。これが意図することは、ジャニーズ事務所が別の社名になれば今まで通りの取引を継続するということであり、何ら実体は変わらないことになります。ここから分かることは、ジャニーズ事務所の性加害が30年近く続いていた根本原因はテレビ局が黙認していたことにあるという反省が全くないということです。要するにテレビ局は、ジャニーズ事務所の性加害問題でスポンサー離れが起きた被害者と言う立場を演じています。

これはビッグモーター(BM)事件と同じ構図であることが分かります。ジャニーズ事務所がBMであり、テレビ局が損保ジャパン(損保)です。BM事件も当初損保ジャパンは騙された被害者の立場を演じていました。ところが時間が経つにつれて共犯であることが分かってきました。そして社長や会長が記者会見すると経営者の質の低さが浮き彫りになりました。これがそっくりジャニーズ事件でも見られます。

ジャニーズ事件は、テレビ局の人権意識やコンプラ体制が確立していればこんなに長期間に渡って継続することはありませんでした。テレビ局は電波使用権を特別に許された存在であり、国民の知る権利に貢献するという高尚な使命があることから、放送法と言う特別な法律で保護されています。そのため報道の自由を主張するテレビ局と政権にとって都合の悪い報道を抑制したい自民党が衝突する場面が多々あり、国民にとって長い間テレビ局は国民の自由や権利を守る砦のような存在と見做されてきました。

ところがインターネットの発達と共に実はテレビ局は政権側とつるんで情報操作をしていることが分かってきました。このためテレビへの信頼は年々落ち、テレビを視聴する人が減っていました。それに伴い広告などのテレビ局の収入も減ったことから、番組制作が安易になりジャニーズ事務所や吉本興業など番組制作に必要な要員が揃っている大手芸能事務所依存が目立つようになってきました。現在テレビ局がジャニーズ事務所と手を切れないのは、手を切れば番組にぽっかり穴があくからだと思われます。これを埋めるとすれば吉本興業に頼るしかなく、今後は吉本興業丸抱えのテレビ番組が増えることになると思われます。吉本興業丸抱えの番組は馬鹿なことを言って笑わせる番組が多く、視聴者は所謂下級国民が中心になります。そのためテレビは今後下級国民の娯楽を提供するメディアという位置付けになります。