ジャニーズ事件の背景に自民党の人権無視体質
ジャニーズ事務所の性加害(ジャニーズ事件)が30年近く継続し、被害者が約500人に及ぶことが明らかになり、大人権侵害事件の様相を呈しています。さらに驚きなのは社会の不正を暴く存在と思われてきたテレビ局がそれを知りながら黙認し続けていたことです。当初テレビ局は単に契約によりジャニーズ事務所のタレントを出演させていただけで性加害とは無関係との立場でしたが、問題の深堀が続くにつれてテレブ局の黙認が性加害が30年間も続いて被害者が増加した真の原因であることが分かって来ました。そのためジャニーズ事務所所属タレントが出演する番組や広告を提供するスポンサー企業が契約の打ち切りに動いたため、慌てたテレビ局は反省の態度を示すようになりました。しかし具体的動きとしてはジャニーズ事務所に社名変更と被害者救済を求めるだけであり、社名が変更されれば取引を継続する考えのようです。要するに何も反省していないということです。
本件については財界人が「本当にジャニーズ事務所だけの問題なのか」と言う疑問を投げかけていますし、SNS上では「本丸はテレビ局」と言う発言が増えています。本件発覚後のテレビ局の長い沈黙は「自分らも当事者だから何も言えない」と言っているようでした。テレビ局のプロデューサーがジャニー喜多川氏と同じくらいのタレント生殺与奪権を持っていることを考えるとテレビ局でも同様な事件があっていても不思議ではありません。
テレビのスポンサー企業にも動きに強弱があり、人権保護に敏感な企業とそうでない企業の差が明確になっています。今尚ジャニーズ事務所所属のタレントが出演する番組のスポンサーを続け、広告を提供し続けている企業は人権保護意識が低いと言ってよいと思われます。これらの企業への就職は止めた方がよいかも知れません。
これを見ると人権保護意識の低さは日本社会全体の問題ではないかということになりますが、それを端的に示す事例がありました。9月29日に自民党が札幌法務局から人権侵犯の発言(2016年に国連の会議の参加者についてSNSに投稿した「チマチョゴリやアイヌ民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」)があったと認定されたばかりの杉田水脈衆議院議員を党の環境部会長代理に任命したのです。環境部会は、環境関連の政府が提出する法案の審査や政策立案を行う自民党の政策調査会傘下の1つの部会であり、部会長代理はN0.2に相当します。杉田議員の経歴からは環境政策に関心があるようには見えないので、この人事は本人が望んだものではなく、当選回数からくる順繰り人事のように思われます。
しかしジャニーズ事件で人権保護の問題がクローズアップされている中で、札幌法務局から人権侵犯発言があったと認定されたばかりの杉田議員を環境部会長代理に就任させることは、自民党が人権保護を軽視している、と言うより無視しているという証左になると思われます。先進国の中でこれだけ人権保護を無視する政権政党は他に存在しないのではないでしょうか。このままでは日本は人権保護意識がない国として先進国から除外されかねません。この面からも自民党政権は終わりにすべきときが来ていると思われます。解散も近いと言われていますので、選挙では自民党に投票しないことで自民党政権を終わりにしましょう。そうでないと自分が虫けら同然に扱われる事態を招きます。