ジャニーズ問題がテレビ局没落のターニングポイント
ジャニーズ性加害問題が混迷を深めています。先ず第1にジャニーズ事務所の2回目の記者会見でNG記者リストがあったことが明らかになり、当日参集した記者たちの怒りが収まりません。第2に補償を求める被害者の中に偽の被害者がいる疑いが浮上し、被害者の会から脱会者が相次いでいます。第3に性被害の存在を認識しながら何らの対策も講じなかったテレビ局の態度が煮え切らず、視聴者のテレビ局不信が大きくなっています。
第1については大した問題ではなく、大きな記者意見では普通にあることのようです。記者会見は義務ではなく開催者がある目的のために開くものであることを考えると、望ましくない記者には当てないようにするのは当然です。ただしその中に含まれていた記者が怒るのも当然です。これは時間が経てば消えて無くなる問題です。
第2の問題はこれから大問題となりそうです。この問題は加害者が死去していることから最初から危惧されていたものが顕在化したものです。たぶん被害者の会内部で対立(あいつは被害者ではない)が酷くなると思われます。同時にジャニーズ事務所が被害認定と救済を委託した第三者員会において被害者と認定しない人が少なからず発生してマスコミを賑わすことになりそうです。中には訴訟に発展するものも出てくると予想されます。
第3の問題は長引きそうです。それはテレビ局に当事者意識が希薄だからです。テレビ局は加害に手を貸したわけではなく、ただ何とくなく知っていて傍観していただけであることから、無理ないとも言えます。現在社内調査を行っているようですが、調査と言っても職員の認識を調べるだけであり、責任者が特定されるわけではありません。従ってやっても仕方ないという意識が強いと思われます。この状態が変わるとは思われず、このまま行くのではないでしょうか。
一方で今回の件で番組スポンサー、広告主のテレビ離れは急速に進みそうです。インターネットの普及によりテレビ離れはかなり進んでおり、既にインターネット広告額がテレビ広告額を抜いたようですが、広告額全体が増えているため、テレビ局の経営への影響はそれほど深刻ではないようです。しかし今回のジャニーズ事件によりジャニーズ事務所所属タレントを使った広告が控えられることによるテレビ広告の落ち込みは、一次的な現象に留まらず企業のテレビ広告の見直しに繋がる可能性があります。それは企業がテレビ広告を取り止めた影響がそう大きくないことが分かり、再度テレビ広告を出そうと言うことにはならないからです。こうして今回落ち込んだテレビ広告はもう回復しないことになります。同時にテレビ番組のスポンサーも減少します。こうして数年後にはジャニーズ事件がテレビ業界没落のターニングポイントだったことが分かると思われます。