上川陽子外相は女家康かも

9月の内閣改造でも岸田内閣の支持率は一向に好転しません。また岸田首相も内閣改造に内閣支持率の向上は狙っていなかったと思われます。それは縁故人事と批判されかねない加藤紘一元議員(故人)の愛娘である加藤鮎子議員をこども政策担当大臣にしたり、ドリル優子のあだ名がある小渕優子議員を自民党の選挙対策委員長にしていることからも伺えます。もし支持率好転を狙うのであれば避ける人事です。その後自民党は最近過去の発言が人権侵犯と認定された杉田水脈議員を環境部会長代理にし、パリ研修旅行が批判された松川るい議員を国防部会長代理に起用するなど、自民党支持者しか眼中にない人事を行っています。これを見ると岸田首相は、自民党支持者以外は相手にしないと決めたように見えます。

私は、自民党は一度下野しないと変わらないと思っており、大阪で議員定数の削減など主張である身を切る改革を実現している日本維新の会が一度政権を取るのが良いと考えています。そもそも今の自民党には首相にしたいと思う人がいません。2021年の自民党総裁選では高市早苗議員の政策力に感心し高市首相に期待しましたが、検討している政策と検討していない政策で発言の深さにギャップがあり、首相には向いていないと思うようになりました。それ以外では日本の財政問題を解決する唯一の方法であるGDP倍増に邁進しそうな西村経産大臣にも期待していますが、自民党では首相になれそうにありません。その中で今関心を持っているのが上川陽子外務大臣です。上川議員はこれまで何度か大臣をしていますが、殆ど印象に残っていません。上川大臣の功績はオウム真理教事件の死刑囚16人の死刑執行命令に署名したことと言われていますが、そのときの印象も残っていません。では大臣として仕事をしていなかったのかと言うとしっかりしていたようです。担当官庁の官僚が上げて来る案件をしっかり理解し決裁すると言います。この点については官邸の事務方トップの官房副長官経験者が「素晴らしい能力」と言っていますから間違いないと思われます。確かに雰囲気的にも賢さが滲み出ています。それなのに一向に印象に残らないのは、自己アピールが嫌いなためだと思われます。これは首相になりたい人にはダメな資質ですが、首相にしたい人には重要な資質です。

自民党は、岸田首相では次の総選挙で大敗間違いなく、かといって前回の総裁選で2位だった河野太郎議員はマイナカードシステム不備問題で不評を買っているし、茂木幹事長は田舎の秀才丸出しで嫌われ者だし、人材が見当たりません。ここは派閥の領袖がこぞって優秀と認める上川陽子議員を初の女性首相に担ぐしか選挙に勝つ方法はありません。自己アピールすることなくじわじわと存在感を高めている上川陽子議員は、出身が静岡であることもあって女家康の雰囲気があります。「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」です。