大学は専門課程修了と教養課程修了に分離する
大学が変革期を迎えています。文部科学省は10兆円ファンドのもと国際的に通用する大学(卓越大学)を作ろうとしており、卓越大学になれなかった大学は何らかの変革が必要になっています。私は変革の1つとして、大学は専門課程の修了と教養課程の修了を分離すべきだと思います。例えば大学入学後直ぐに専門課程を履修したい人はそれを可能として3年間で専門課程を終了できるコースを設けます。現在法学部に3年で専門課程を修了し法科大学院に進めるコースがあるようですが、これを一般化します。そして3年(または4年)修了時で専門課程の修了証書を発行します。でもこれは大学の卒業証書ではありません。それは教養課程を修了していないからです。大学としてはあくまで教養のある専門家を育てるのが目標であり、教養課程を修了しない限り、大学を卒業したとは認められません。ではずっと大学の卒業証書は貰えないかというとそんなことはありません。専門課程修了後教養課程を終了(所定の単位を取得する)したら、教養課程修了証書とともに大学の卒業証書を発行します。教養課程は大学で受講することもできますが、通信教育によることもできます。放送大学で開講している講座の中から大学が指定する講座を受講することで教養課程修了とすることも考えられます。この結果教養課程の受講は、教養の必要性が分かった社会人後半の人が多くなると思われます。特に定年退職後に受講する人が増えることが予想されます。人生の忘れ物を取りに行く感覚です。教養科目は、大学入学後は興味がなく、受講しても身に付きません。社会人の後半のほうが教養の大切さが分かり、身に付きます。従ってこの方が効果的な学習方法と言えます。大学にはこんな変革も必要となってきているように思われます。