岸田首相は真空(心空)総理

岸田首相の支持率の低下が止まりません。最近の新聞テレビの調査では20%台が多くなっています。最低は21%であり、10%台突入は確実です。

この原因はいくつか言われていますが、一番大きいのは物価が上がり生活が苦しくなっている中で、岸田首相では増税などの負担増が確実だからではないかと思われます。岸田政権になってからまだ増税は実施されていないし、決定もされていませんが、防衛費増額に伴う増税約1兆円は岸田首相が明言していますし、岸田首相肝いりの異次元の子供対策に伴い3.5兆円の予算増が必要と言われており、これも大部分が増税になって跳ね返ってくると思われます。そうなると益々生活が苦しくなる国民が大部分です。

しかし岸田首相は支持率低下の理由が思い当たらず困惑しているようです。確かに岸田政権は確実に政策を実行しているのは間違いありません。例えば防衛体制強化であり、これは右翼と言われた安倍首相でもなしえなったレベルです。こども対策も何らかの対策を打たないといけない段階にきていましたから、時期を得た対策と言えます。また資産倍増計画も当初の所得倍増計画と比べるとずいぶんスケールダウンしましたが、将来国民を豊かにする政策であることは間違いありません。このように岸田首相はわずか2年間の間に他の政権を上回る政策を実施しています。これを考えると岸田首相からすれば、現在の支持率の低下が理解できないのも当然かも知れません。

なぜ岸田首相の自己評価と国民の評価に大きなギャップがあるかと言えば、これらの政策がある日突然出てきてあっという間に決定されているからです。防衛力強化についてはロシアのウクライナ進行という突発的な出来事に基づいていますから仕方ないとしても、少子化問題は以前からあった問題であり、岸田首相が問題意識を持っていれば自民党総裁選で公約に掲げられていたはずです。資産所得倍増については、総裁選のときに岸田首相が掲げていたのは所得倍増であり、誤魔化したという印象があります。このように岸田首相が打ち出す政策は、岸田首相の持っていた問題意識から出てきたものではなく、周りのスタッフが提案したものに岸田首相が飛び付いたように思えます。各省からきている首相秘書官の提案を順番に採用しているような感じがします。

これは以前から言われていたことですが、岸田首相は「首相になりたかっただけの人」で、「首相になってこれをやりたい」というものがないように見えます。安倍首相は禅譲の約束があったと言われる岸田首相を後継に指名しませんでした。その理由として安倍首相は「岸田にはパッションがない」と言ったと言われています。まったくその通りで自分が何としても実現したいことがありません。これについて宏池会で岸田氏の側近だった三ツ矢憲生元衆議院議員が、「岸田さんは良くも悪くも真空」と表現しています。温厚で本当にいい人なんだけど自分の意見がないという意味のようです。これには国民の多くが同意するのではないかと思われます。人間岸田が見えないからファンがいません。安倍首相は支離滅裂な発言で知識人からは徹底的に嫌われましたが、そのパーソナリティに一定の熱烈なファンがいました。それが安倍首相が最後まで高い支持率を維持していた原因です。「真空」というパーソナリティはもう変えようがないことから、岸田首相の支持率は今後も上がることはなく、首相再選もなくなったと思われます。今後首相の欠格事由として「真空」が挙げられそうです。