東京のサラリーマンは地震に備えた「生活継続計画」が必要

最近地震の話題が少なくなくなっています。経験的に言うとこういうときに大きな地震が起きることが多いです。2016年の熊本地震も熊本は地震とは無縁な地域と言われている中で行きました。実は1889年にも大きな地震(M6.3)に見舞われており、すっかり忘れていたのです。災害は忘れた頃にやってくるとはよく言ったものです。

そこで気になるのが関東、とりわけ東京での地震です。直近の大地震は1923年の大正関東大震災(M7.9)であり、丁度100年が経過しました。その前の地震は1855年安政江戸地震(M7.0)であり、大正関東大震災とは68年の開きがあります。その前は1703年の元禄地震であり、安政江戸地震とは153年の開きがありますが、熊本の例を考えると前の地震から100年以上経っていたら警戒した方がよいと考えられます。

「警戒するってどうするの?」という話になりますが、大企業では災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るために「事業継続計画」(BCP=Business Continuity Plan) を作っていますが、各家庭でも「生活継続計画」(LCP=Life Continuity Plan)を作っておいた方がよいと言えます。地震が起きときの家族の行動を考えておくことは有益だと考えられます。例えば地震で家族がバラバラになったらどこで落ち合うとか、地震で家に住めなくなったらどうするか考えておけば、地震が来ても落ち着いて行動できます。特に地震で住めなくなった場合の住居については、前もっと地方に住居を確保しておく(老後の住居とする)こともあり得ます。

私は2011年の東日本大地震の際には東京都品川区に住んでいましたが、下から重機で突き上げられるような衝撃で、「関東大震災が来た!」と思いました。更に強烈な揺れが来ることを予想し、「マンションが潰れて明日は生きていないかも」とも考えました。そこでテレビを付けたら東北沖が地震源であることが分かり少し安心しましたが、その後東北の陸地が津波に飲み込まれる場面が映し出され、ゾーっとしました。その後東大の学者が東京で30年以内に巨大地震が来る確率は90%であり、これはいつ起きてもおかしくないと発表したことから、気が気ではありませんでした。というのは財産と言えば住んでいるマンションくらいであり、貯えもあまりなかったからです。マンションが倒壊したら再建は困難であり、賃貸住宅に住むしかなかったと思われます。そうなると老後は真暗であり、何のために東京で頑張ってきたのは分からなくなります。現在東京に住んでいるサラリーマンの多くが当時の私のような立場ではないかと思われます。

東京はいずれ地震に襲われるのは間違いないので、東京に住み50歳を超えたサラリーマンは、地震が来て家を失くしたときに引っ越す田舎を探しておいた方がよいと思います。老後に地震に襲われて家を無くすのが最悪です。