ブロックごとに自然災害即応センターが必要
今年正月に能登地震が発生しましたが、対応は十分とは言えませんでした。大規模な地震は2000年以降2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震に次ぎ3回目ですが、毎回初めてのようにバタバタした対応になっています。これは対応のノウハウが地震を経験した自治体に留まり、新たに地震が発生した自治体にとっては初体験になるからです。多分経験した自治体や国の防災セミナーなどには自治体の担当職員が参加していると思われますが、聞きかじりの範疇を脱していいないと思われます。地震や自然災害の対応ノウハウを生かすには、各地区単位(道州制の単位が考えられる)に1つ自然災害の対応する組織(自然災害即応センター)を設置することが考えらます。各県や市町村単位だとコスト負担が大きくなり、十分な組織を維持できませんし、即応を考えると各地区単位が妥当です。そこに専門家と各県や政令市の出向者が詰め、偵察用や輸送用ヘリ、救助艇などの装備や支援物資を常備します。そして災害が起きれば選択されたプランに基づき即応センターが行うことと各自治体が行うことを仕分けし、分担します。更に必要があれば自衛隊の支援も求めます。即応センターと各自治体で500人動員できれば救急体制としては十分だと思われます。500人は自治体担当職員、消防や県警の機動隊などで組織します。2,3日経てば各地区の即応センターが応援部隊を組織し派遣します。予備自衛官の招集も考えられます。
警察では、ハイジャックやテロに備えるため全国8本部にSAT(special Assault Team)という特殊な訓練を受けた部隊を配置しています。しかし、これらの部隊が出動したという報道は殆ど聞いたことがありません。出動する機会としては、自然災害即応センターが圧倒的に多くなるはずです。
先ずは熊本に先行設置します(九州自然災害即応センター:Kyusyu Nature Disaster Cope Center=KNDCC)。熊本県は2014年に九州を支える広域防災構想を策定し、それ従って2023年6月には7階建ての防災センター建物が完成しています。その他新設された熊本市民病院は免震構造を採用している、熊本空港は鉄道や高速道路でアクセスの強化を図っている、大分や延岡にも高速道路が伸び九州の東西南北の結節点になるなど環境整備も進んでいます。各地の即応センターはこれを参考に横展開すれば早期に整備可能です。これがないと同じような対応の不備を繰り返すことになります。