新聞に残された時間は少ない

2023年の新聞一般紙(スポーツ以外)の発行部数は 約2,667万部と前年比202万部(7.0%)減少しました。このまま減り続ければあと13年で0となりますので、余命宣告されている状況と言えます。

全国紙の販売部数を見ると(2023年7月時点)

朝日新聞:3,636,675(-484,565  -11.7% )
毎日新聞:1,659,153(-226,010  -12.0% )
読売新聞:6,295,920(-464,491   -6.9% )
日経新聞:1,473,712(-230,103 -13.5% )
産経新聞:  951,020( -62,663)  -6.2% )

となっています。これを見ると読売新聞の減少率の低さが目立ちます。生き残ると言われる日経新聞はトップの減少幅であり、雲行きが怪しくなっています(日経電子版への移行の影響もあると思われる)。

新聞の販売部数減少の要因は、新聞が翌日配達であることからくる速報性の無さ、購読料が月5,000円近くなることからくる家計の負担の大きさにあると考えられます。速報性の無さについては、インターネット配信にすれば解決しそうですが、全国に宅配網を構築しており転換の足かせになっているようです。購読料についても宅配と関係しており、紙に印刷し宅配する限り上がることはあっても下がることはありません。そう考えると新聞の窮地は、宅配をインターネット配信に切り替えれば救える可能性があります。インターネット配信にすれば紙や印刷代、配送料、宅配料などが不要となり、コストが大幅に低下します。その結果購読料は月1,000~2,000円に下げられると思われます。この購読料なら100万人以上の購読者を繋ぎ止められる新聞社が3社以上残ると考えられます。従って新聞社が全て消え去ると言うことはなさそうです。問題は紙の新聞になれた購読者が多い中で、どのようにインターネット配信に切り替えるかにかかってきているように思われます。この場合、新聞社および販売店に大きなリストラが必要となりますが、これは新聞社に体力があるときにしかできないため、やる時期は迫っているように思われます。

インターネット配信に転換する場合、記事の内容も大きく転換する必要があります。インターネット配信で必要とされるのはタイムラインに乗っ取った情報であり、記者の解説や蘊蓄記事、ブログ的な内容は必要とされません。そうなると記載する記事のボリュームも紙の新聞の5分の1程度に減少すると思われます。新聞社の変革というよりは新しいメデャイの誕生と言った方が当たっているかも知れません。こういうことを迫られていることが分かる新聞購読部数の現状です。