ブラタモリ終了「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」

ブラタモリが3月9日の放送で終了したということです。私はNHKはほとんど見ませんがブラタモリは毎回見ていました。9日も録画をセットした(ジョギングにいくため)のですが、BSで見たい番組があったため録画をそちらに変更しました。それはブラタモリの内容が指宿となっていたこともあります。指宿と言えば開聞岳の回で一度出てきたように思ったからです。ブラタモリもレギュラー番組は3月で終了と告知されていたので、「今回が最終回だったらまずいな」とはちょっと思ったのですが、「さすがに早過ぎてそれはないだろう」と思って録画しませんでした。そしたら何の前触れもなく、また番組内での挨拶もなく終了したということを聞いて後悔しました。番組収録の際タモリや野口アナには今回が最後の収録であることは伝えられていたはずで、番組内で、特に最後の場面でタモリや野口アナの表情に何らかの変化が見られたと思われます。終了する番組ではこれも楽しみの一つであり、そこが見られなかったのが一番残念です。報道によると最後にタモリが花束を持ち、野口アナが花が入った籠を持っていたということですから、番組スタッフが心ばかりのフィナーレを演出したものと思われます。一部の視聴者によると野口アナが涙ぐんでいるように見えたということですが、野口アナは笑顔が売りであり笑顔で終わるのが一番似合っていると思います。セレモニーが嫌いなタモリ、悲しくても笑顔でいたい野口アナにふさわしい終わり方だったと思います。

さてブラタモリが終了する原因は、タモリが高齢になったからと言われています。確かにタモリも78歳になり、見た目も歩き方も年をとったと感じさせます。しかし頭はしっかりしており、会話や話しぶりには年齢を感じさせません。番組も町中を歩く限り体に負荷がかかるものではなく、体力的にはまだ続けられたように思われます。私がタモリの体力以上にブラタモリの限界を感じていたのは、「ネタ切れ」感でした。最初は初見初耳のことが多かったのですが、最近は同じ町(例えば京都や鎌倉)の2巡目、3巡目となることが多く、「またか」という感じになっていました。また内容も地学の視点から歴史の視点に移っていたように思われます。歴史の視点になると類似の番組もあり、新鮮感がなくなります。そういうこともあり私は「ネタ的にそろそろ限界かな」と感じていました。番組スタッフやタモリはもっと強く感じていたと思います。ということでブラタモリ終了の最大の理由は「ネタ切れ」だと思われます。

タモリの今回の去り方を知ってダグラス・マッカーサー(日本占領軍総司令官)の「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」という言葉を思い出しました。ただしマッカーサーはこの言葉を米国上下両院合同会議での軍人退官演説で述べており、この言葉と裏腹に華々しい去り方をしています。この言葉はタモリにこそふさわしいと思います。次にタモリ的去り方をするのは「心旅」のあの人かも知れません(敬称略)。