薄っぺらな木村知事は1期で終わりそう
3月24日の熊本県知事選挙で当選し、4月15日に知事に就任した木村敬知事は、16年ぶりの新知事ということで熊本県民の期待を集めていましたが、次々と不適切発言を行っており、このままいけば1期の任期で終わりそうです。
不適切発言を順に挙げると、4月16日の知事就任式で「野菜を売る人、牛の世話をする人、そうした方々のために全力で頑張るのが私たち県庁職員だと私は思っています」と述べました。これは静岡県の川勝知事が4月1日の県職員入庁式で述べて辞職の原因になった発言「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。」を揶揄した発言であると思われます。本人としては笑いを取るつもりだったのかも知れませんが、川勝知事は後悔し辞任まで表明しているのですから、それを揶揄するのは失礼、薄情、非常識と言えます。また不快な言葉は誰が言っても不快であり、公的な場で発するものではありません。
次に5月1日の報道で木村知事が当選祝いで貰った胡蝶蘭を熊本市内の病院や福祉施設など7か所に配ったことが明らかになりましたが、その際木村知事は「事務所を閉めるまで(残り)1日、2日という中で(コチョウランを)捨てたくないという思いから回れる範囲で預けにいった」「自宅が手狭で事務所にも置けず預けただけ。相手に利益を与える意図はまったくなかった」「寄付ではない」と弁明しました。この弁明の中の「預けた」という言葉には、違和感を持った人が多いと思います。実際は、捨てるのは勿体ないと思ったから、病院や福祉施設などで観賞して貰えばと思い贈呈したものと思われます。この動機そのものは誰もが共感できるものであり、公職選挙法違反に問われることはありません。検察は形式的に公職選挙法に違反している行為すべてを起訴しているわけではなく、実質的に罰する必要があるものだけ起訴しています。木村知事の胡蝶蘭を観賞用に贈呈した行為は動機や時期などから起訴するほどの違反行為とは判断されません。むしろ「預けた」という言葉を子供じみた言い訳ととらえた人が多いと思われます。ヤフコメには「東大出て頭いいらしいが、幼稚な言い訳するな」というコメントが見られました。
ここら辺から木村知事の実像に不安を持っていたら、5月1日水俣病の患者・被害者団体と伊藤環境大臣の懇談会の場で、団体側の発言中環境省の職員がマイクの音を切り、懇談会の後に団体が環境省側に抗議したことについて、10日の定例記者会見で木村知事は「あの場で事実上つるし上げになっている。大臣も環境省も」 と述べたということです。あの状況を考えれば誰であっても激しく抗議するのは当たり前です。懇談会の事務局の責任者だった環境省疾病対策室の木内哲平室長は、あの場でマイクオフにしたらどういう事態を招くか分からなかったようですし、木村知事も患者団体の抗議を「つるし上げ」と表現したらどういうことになるか分からなかったようですから、同じタイプの人間と言えます。木村知事は伊藤大臣についても「真剣に聞いていた」「忙しい中時間をとってわざわざきていただいた」などへつらう言葉使っており、伊藤大臣に取り入りたい気持ちが溢れています。伊藤大臣があの場で「マイクを切るなど失礼なことは止めなさい!」と一喝すればあの場は収まっています。それが出来なかった伊藤大臣に一番問題があります。それなのに伊藤大臣をかばった木村知事は熊本県人から「おべっか知事」と見なされました。
熊本県は昔から難治の国と言われており、まとまりの悪さで有名です。それをものの見事にまとめたのが蒲島知事ですが、蒲島知事は失言や不適切発言は全くと言ってよいほどありませんでした。それは、蒲島知事はハーバード大学院卒で東大教授でしたが、高校は山鹿農高卒であり、山鹿農高では220人中200番くらいだったと本人が言っているように、学力面でのIQはあまり高くありませんでした。それは歴史的誤判断である川辺川ダム建設計画中止や財政的に永続不可能な肥薩線復旧に突っ走ったことによく表れています(同時に木村知事を後継者に指名したことにも)。しかし蒲島知事は熊本県民の気質をわきまえており、社会的IQは極めて高かったと言えます。木村知事の場合、武蔵中高、東大卒ですから学力面のIQは高いものと思われますが(これについても疑義あり。発言は学歴詐称レベル)、知事就任後わずか1カ月の間に少なくとも3つの不適切発言を行ったことを見ると社会的IQは極めて低いように思われます。今後熊本県民から「あいつは薄っぺらでダメだ」という声が大きくなりそうです。