慶大卒のお坊ちゃまが社会問題を引き起こす

慶応大学(慶大)は早稲田大学(早大)と並ぶ私学の雄ですが、早大が社会一般から優秀な学生を選抜しているのに対し、慶大は経済的に裕福な層の子弟を早くから選抜し、長い時間をかけて上級国民にふさわしい知識や学力、立ち居振る舞い、人脈を養成するところに特徴があります。従って大学から入ってきた一般入試組はこのような慶大の特徴を有しておらず、偽物であり、一般入試組にとって慶大の居心地はよくなかったと思われます。しかし慶大の高偏差値は約4割に過ぎない一般入試組が作っており、内部進学生を入れたら相当落ちることになります。内部進学生が一般入試で合格できるのは3割程度だと思われます(系列高校の成績で上位3割に入っていれば慶大の希望学部に進学でき、それ以外は調整になっていることからも分かる)。

慶大卒業生の大部分は大企業に就職していますが、「え、こいつ本当に慶大出てるの?」という人が少なからずいます。幼稚舎は学力選抜ではありませんから、その後相当学力が劣る学生が出てきますが、そんな学生も必ず慶大に入れるわけですから当たり前です。しかし慶大OBの強みは学力と言うより育ちの良さからくる人当たりの良さ、付き合い上手さにあると思われます。貧乏人の子供のようにひがみや猜疑心がなく、かついろんなことを経験しており、仲間にするなら最高な人物が多いのです。そのため大企業では出世します。そもそも大企業には昔から慶大OBが多く、カルチャーが合う後輩を引き上げます。そのため慶大OBが社長になると、代々社長を慶大OBの後輩に引き継ぎ、かつ会社の幹部も慶大OBで固めることが多くなります。これを日本全国に広めるための組織が三田会であり、会社の中にも支部があります。そのため大企業の中で慶大閥と言われる企業は多く、他大学卒の社員は肩身が狭い状況となっています。

こういう背景の下慶大OBの悪さも目立ってきています。先ず慶大の伊藤公平塾長が中央教育審議会(中教審)で、国立大の学費を現在の標準額53万5,800円から約3倍の150万円に引き上げるべきという提案をしました。目的は、私立大と国公立大の「大学の質を上げるために公平な競争環境を整える」ためだと言います。150万円と言えば慶大在学生の年間納付金であり、国立大学の納付金も慶大並みにしろと言うわけです。要するに慶大が日本の基準であり、国立大学も慶大に合わせろというわけです。そうすれば学費が安いから東大や京大などに流れている学生が慶大に来るでしょうし、慶大は益々難化しますから、慶大のバリューを上げることに繋がります。また平均的な日本の家庭にとっては、国立大学の約53万円の学費も楽な負担ではなく、これが150万円になると大学進学を諦める人が相当出てきます。伊藤塾長は奨学金で手当てすればよいと言っているようですが、4年間の奨学金が600万円になる人も出てきてローン地獄となります。多分伊藤塾長は奨学金を受けたことがなく、返済の大変さを知らないのだと思います。こう考えると伊藤塾長の提案は一般家計の暮らしぶりからすると浮世離れしたものであり、慶大が富裕層の大学であればこそ出てくる提案です。伊藤塾長のこの提案は実現を狙ったものではなく、自分の存在を世の中にアピールすることを狙ったものだと思われます。目立ちたがり屋が多いというのも慶大OBの特徴の1つです。

5月1日に水俣病患者団体と環境省の懇談会があり、伊藤環境大臣が出席しましたが、患者団体の代表が意見を表明中に3分が経ったとして環境省の事務局がマイクを切るという暴挙を行い、非難の的となっていますが、伊藤大臣と事務局の責任者である環境省特殊疾病対策室木内哲平室長も慶大OBです。伊藤大臣は幼稚舎から大学院まで慶応であり、慶応OBの典型です。親は衆議院議長まで務めた自民党の大物伊藤宗一郎氏であり、自民党に多い二世議員です。そのため社会で揉まれた経験がなく、今回のような紛糾した事態に対処できなかったものと思われます。たたき上げの議員なら事務局を一喝し、話したいだけ話させ男を上げる場面でした。慶大という特殊社会育ちであることが悪い方に出たように思われます。

さらにあの場の混乱を作り出した責任者である木内室長も慶大OBと言うのですから驚きです。それも日本でも東大医学部と並ぶ難易度と言われる医学部卒でした。木内室長は40代だと思われますが、報道写真で見るとやけに若く見え、学生がそのまま年を取った顔つきでした。医学部出身者でも自分は医者には向いていないとして行政に就職する人がいますが、そういう人は社会性に問題がある人が多いです(本人も自覚している)。木内室長がこの典型的な人のように思われます。

最近話題になった人物が慶大OBであるということは、たまたまと言うよりも慶大OBが社会の中枢を占めることが多くなった弊害の表れと言うことができます。(唯我独尊発言が多い河野太郎大臣や2021年にはコロナ給付金を騙し取ったとして逮捕された2名の経産省職員、また睡眠薬入りの飲み物を飲ませて女性6人に性的暴行を行ったとして5月13日に懲役10年の判決を受けた元経産省職員も慶大OBです)