まともな歯医者を探すのは至難の業

1月から5月まで続いた歯医者通いがやっと終了しました。15回通い自転車と地下鉄で片道約1時間かかりますから、かなりの負担でした。住んでいる場所の近くにも歯医者はたくさんあるのですが、今回の症状を治せる歯医者は見つかりませんでした。症状は昨年12月に初め現れたたもので、右下3番と4番(真ん中の2本を1番とし、左右奥に2番,3番・・と数える)の歯の歯茎(はぐき)の約1㎝下が腫れあがり治らないと言うものでした。いつも行っている近くの歯医者に行ったら、原因不明で暫く様子を見ようと言われました。2週間しても回復しないので近くの別の歯医者に行ったら、重度の歯周病で、歯周病は治療法がないから抜けるのを待つしかないと言われました。私は30年以上前に重度の歯周病で治療を受けたことがあり、そのおかげで大部分の歯が残っていましたので、この歯医者(有名国立大学歯学部の博士号保持者)は藪医者であることは直ぐわかりました。問題はこの症状を直せる歯医者を探すことで、ネットで探すことにしました。先ず米国の大学歯科勤務歴があり自由診療のみをやっている歯医者が引っかかりましたが、料金は10万円以上が見込まれました。次に引っかかってきたのが今回通った歯医者です。HPを見ると歯周病の治療例が掲載してあり、私が30年以上前に受けた治療と同じ内容となっていましたので、決めました。治療では歯石除去を3回行ったあと4回目に歯茎切開剥離、歯石除去、患部クリーニングなどのあと縫合しましたが、これも30年以上前に受けた治療と同じで、症状は完治しました。この歯医者の技術は優れていたので、提案があったボンドで連結していた前歯を差し歯にする治療も行いました。結局7本を差し歯にすることになり、治療費は70万円程度になりました(ジルコニアクラウンには保険が効かない)が、ここまで優れた歯医者に出会うのは難しく良かったと思っています。

私は子供の頃から歯が悪く、歯の治療にこれまで約600万円使っています。30年以上前の歯周病治療には当時住んでいた大阪市から群馬県高崎市の歯医者に1年半通い、ここで交通費宿泊費込みで約250万円(自由診療)かかりました。その後インプラントを8本入れ約250万円、そして今回の治療費約70万円です。

そこで感じたのは、歯医者は腐るほどいるけれどまともな歯医者は極めて少ないということです。こちら(福岡市)でも9軒の歯医者に行きましたが、評価できるのは今回の歯医者だけです。酷かったケースを上げると先ほど挙げた歯周病は治療方法がないと言った歯医者のほか、

左上(5番、6番)にインプラント2本を入れる際に、ストローマン製のインプラントなら抜歯後2カ月でインプラントを埋入(埋め込むこと)でき、その2か月後にはクラウンを乗せ噛めると言った歯医者です。これまで私が受けたインプラント(下の歯)では、抜歯後3カ月で埋入、埋入後3か月後にクラウンを乗せて噛めるようになるものばかりでしたので、これは魅力的でした(通常上の歯の骨は下より柔らかく、噛めるようになるまで下より長い時間が必要)。しかしこれがとんだ禍を招きました。噛める(抜歯後5カ月)ようになって約1年後に別の歯医者で歯の精密レントゲンを撮ったら、上5番のインプラントが骨から外れていると言われたのです。写真を見ると5番のインプラントと右側骨との間に幅2mm、深さ3mm程度のV字谷上の黒影(隙間)が映っていました。そこでインプラントを入れた歯医者に行ったら、不鮮明なCT写真をとり「ちゃんと付いている」と言い張りました。別の歯医者でとった証拠写真を貰えなかったため対抗できず泣き寝入りとなりました。この結果5番と4番の歯の間に隙間ができ、ここに食べかすがつまり食後歯間ブラシによる清掃が欠かせなくなりました。

そのあと1年くらいして別の歯医者で右上の4,5,6番の歯を抜いてインプラントにすることにしましたが、この歯医者も大変な食わせ物でした。ここでは当初抜歯後3カ月してインプラント埋入を予定していましたが、CTでチェックした結果骨の再生が不十分なことが分かり、3カ月延長しました(前の歯医者はチェックのためのCTを1回も撮らなかった)。そして6か月後に埋入手術をすると骨が柔らかいことが分かり、クラウンを乗せるのは6カ月後とすることになりました(抜歯後1年後に噛めるようになった)。前の例では5か月後に噛み始めていますから、インプラントと骨の間に隙間ができた(インプラントが動いた)のは当然と言うことになります。この歯医者良心的だなと思っていたらそうでもなかったのです。クラウン(3本連結した歯)を乗せる際に上下の歯のかみ合わせを調整するのですが、3~4ミリの隙間がある(技工士の失敗)にも関わらずOKとしたのです。これは歯の間に赤い紙を入れてチェックするのですが、紙がすっと横に通ったことから私もおかしいなと感じていましたが、確信したのは帰ってから食事をした際に食べ物を嚙み潰せなったことからでした。3mmの歯間ブラシを横に動かしたからスッーと通ってしまいました。これについては作り直しとなりましたが、今度は作り直した歯の嚙み合わせ調整が上手くいかず、不満足な状態で終わりました(この歯医者では治せない)。

このように歯医者というより歯壊医者が多くなっています。歯の治療にいったら歯が壊されたということになりますので、最初からよく調べていくことが肝心です。

(今回上手いと思った歯医者はここです。www.matsumotoshika.jp