韓国の勢いはピークを打ったかも
韓国は近年素晴らしい勢いで経済を発展させ、平均賃金では日本を抜いています(OECDのデータによれば、2020年の平均賃金は、日本が3万8,514ドル、韓国が4万1,960ドル)。2022年度のサムスン電子従業員の平均報酬が約1,440万円ということですから、納得です。1人当たりGDPは、2023年に韓国が日本を抜く予想でしたが、半導体不況により韓国のGDPが下落し、逆に日本のGDPが伸びたことから、これは実現しなかったようです。それでも2031年には抜かれる予想となっています。このように韓国の経済発展は目覚ましく、アジア屈指の工業国となっています。その理由は、韓国政府が韓国は人口が少ない(2023年で約5,200万人)から内需で豊かになるのは不可能で、輸出を増やすしかないと考えて輸出振興策をとったからです。韓国のGDPに占める輸出の割合は48.3%(2022年度。世界銀行)でドイツ(50%超)に次いで世界2位となっています(日本は約18%)。韓国の企業が世界一のシェアを占める製品は、スマートフォン、DRAM、NAND型フラッシュメモリー、有機ELパネル、薄型テレビ、造船の6品目と日本(自動車、自動二輪、デジタルカメラ、A3レーザー複写機・複合機、CMOS画像センサー、携帯用リチウムイオン電池)と同数ですが、韓国の場合、韓国企業複数で世界シェアの大半を抑えるという特徴があります。DRAMではサムスン電子とSKハイニックスで約71%(2021年)、NAND型フラッシュメモリでもこの両社で約53%(2022年)、有機ELテレビでサムスン電子とLG電子で約83%(金額ベース。2022年)などです。このように韓国の企業は独占欲が強いことから、TSMCのような共生型企業(日本や米国、ドイツなど需要がある国に工場を作り、現地生産を進めている)が出てくると衰退する運命にあります。また韓国のサムスン電子やLG電子が日本から学んで世界市場を席巻した洗濯機、家庭用エアコンなどの家電製品では中国企業に市場を奪われ、3位内にも入れなくなっています。これを見ると今世界1位のシェアを占めている製品でも、この二の舞になる可能性は高いと思われます。
これを伺わせる現象がスポーツの面でも伺えます。例えば、韓国U-23サッカー代表は7回連続だったオリンピック出場権を逃しましたし、男女バスケットボールもそうですし、男女バレーボールも出場できそうにありません。これを見るとあれほど強かった韓国はどこにいったのという感じです。また数年前は韓国選手が毎週と言ってよいほど優勝していた米国LGPAツアーでも最近韓国選手の優勝は珍しくなりましたし、ツアーの大勢力になっていた選手数もめっきり減っています。先週行われた全米オープンでは、笹生優花選手が優勝、渋野日向子選手が2位で日本人選手がベスト10に5人入ったのに対し、韓国人選手は0でした。これを見ると勢いがあるのは日本人選手の方であり、出場選手数や優勝者数で日本が韓国の抜く日も近いと思われます。一方LPGAではタイや中国選手の活躍も目立っており、これは経済の躍進と一致しています。
韓国の勢いが明らかに落ちてきたのは、豊かになったせいではないかと思われます。十分豊かな生活ができるようになったことから、これまでのようながむしゃらさがなくなったように思われます。今世界を席巻していると言われる韓国ドラマやK-POPも、韓国人が飽きてきて制作意欲を無くすのは近いと考えられます。韓国の勢いは確実にピークを打ち、日本と同じ道を歩み始めたように思われます。