福岡県は福岡市と北九州市を除いた地域のこと
福岡県議会議員の海外視察が問題になっています。問題点の1つは予算を遥かにオーバーしていることです。問題の発覚により設置した議会改革プロジェクトチームが公表した過去5年の海外視察の日程や費用によると、コロナ禍で視察を中止した2020、2021年度を除く2019、2022、2023年度の3年間で計23件の海外視察を実施し、このうち予算に計上したのは計約8,000万円だったのに対し、実際にかかった費用は計約2億8,400万円だったということです。予算を承認し執行を監督する議会としては、考えられない結果です。
福岡県議会はこれまで海外視察の報告書を公表していなかったということですから、公費の使い方としても問題があります。公費による旅行については、日程と内容およびかかった費用について報告書を作成して費用の支出先に報告するのが常識です。こんなことも分からない福岡県議会とその議員について、全国から注目が集まっています。
福岡県外の人たちは、福岡県を福岡市のイメージで捉えていると思いますが、全く別物です。
福岡市は人口約165万人で全国第5位の大都市で、若者の割合が多く伸び盛りの街として全国的に有名です。福岡県にはもう1つ人口約92万人の北九州市という大都市があり、こちらはかって四大工業地帯と言われた工場の街です。福岡市と北九州市は政令指定都市であり、多くの国の行政事務が福岡県を通さず直接委託されていることから、福岡県とは対等に近い関係にあります。将来道州制が導入されれば、福岡市や北九州市が行政単位となり、福岡県は廃止されることになると予想されます。このことが分かると、福岡県は福岡市と北九州市除く市町村を中身とすることが分かります。福岡県の人口は約510万人(2023年10月1日現在)ですので、ここから福岡市と北九州市の人口を引いた253万人が実質的な福岡県の人口となります。これは都道府県人口ランキングで言えば14位に相当し、京都府並みとなります。だから福岡市と北九州市を除いても福岡県は大きい県と言えます。
しかしそうなると福岡県は久留米市を中心とした筑後地方と飯塚市を中心とした筑豊地方が大部分を占めることとなりますから、茨城県や長野県に近いことが分かります。実際福岡県議会では筑後地方や筑豊地方出身の議員が幅を利かせており、議長や自民党県連の要職を占めています。県知事についても前の小川知事(官僚出身)は県議会の言うこと聞かないとして対立し、県知事選では県議が中心となり対立候補を立てました。その結果小川知事が再選されましたから、福岡県議会は福岡県の有権者からあまり支持されていないことが分かります。そこで小川知事が病死した後の県知事選で、県議会は言うことを聞く前副知事を県知事候補に擁立し、当選させました。この結果、現知事は議会の言いなりであり、議会にとっては心地よい知事との関係にあるようです。一方福岡県庁は日常事務の遂行に明け暮れ、福岡県の発展に繋がる政策は皆無です。東北の福岡県とも言える宮城県がトヨタの工場や台湾の半導体工場の誘致に成功するなど発展に繋がる政策を実行しているのと大違いです。これも現在の福岡県の実体が福岡市と北九州市を除く田舎の地域が中心であること、その地域選出のボス型議員が議会の実権を握っていること、県知事が議員の僕になっていることを考えれば仕方ない状態だと思われます。
福岡市や北九州市は、こんな福岡県の一部と見られないよう福岡県から独立宣言をした方が良いと思われます。