会社PCの不適切利用で首にならないように注意!
米の大手銀行ウェルズ・ファーゴは、勤務時間中に働いているように見せかけた十数人の行員を解雇したという報道(ブルームバーグ)です。解雇された行員は、キーボードの動きを偽装し勤務していたように見せかけていたと言うことです。本件につき日本経済新聞が同社に確認したところ同社は「ウェルズは従業員に最高水準の規範を求めており、非倫理的な行為は許されない」とコメントしたということです。
日本なら会社のPCを使った不適切行為としては
・業務外の目的でウェブサイトを閲覧する
・ネット銀行にアクセスして個人的な入出金をする
・ネットで株式の売買を行う
・私的なメールを送信する
などが考えられますが、今回問題になったのは、仕事をしているふりをするために定期的にパソコンのマウスを動かしたり、残業してまで頑張っていると印象づけるために業務時間外にメッセージを予約送信したりしていたことのようです。前者については、マウスのカーソルを一定間隔で自動的に動かす装置「マウスジグラー」が使われていたということです。
こういうことが行われる背景には、企業が生産性を測定するために会社が社員に与えているPCのキーストロークやマウスの動き、アプリケーションの使用状況を監視するアクティビティ追跡ツールを積極的に導入し、社員の勤務状況の管理を強めているという現実があるようです。
米国ではこのような現実が良く知られており、社員も気を付けているようですが、日本ではここまでやっている会社は少ないし、これを意識している社員は殆どいないと思われます。今年はまれに見る大幅な賃金引上げが行われましたが、その分企業の人件費コストは上がっており、今後コストに見合わない社員を辞めさせる動きが強まると考えられます。先ずは希望退職の募集が多くなるでしょうが、この場合会社としては残ってほしくない社員が残ると言われており、会社としては合理的理由を見つけて不良社員を解雇したいところです。そのための理由としてPCの不適切利用は十分使えます。数回の不適切利用では解雇できないので、数カ月から1年くらいの不適切利用の記録をとり、これを解雇理由とすることが考えられます。現在過去に遡ってこれをやられると首になってもおかしくない人は相当いるのではないでしょうか。ちゃんとした会社なら事前にPCの使用状況は監視されていることを社員に説明するでしょうから、これで首になる人はそんなに出ないと思われます。しかし業績が苦しい企業においては、いきなりPCの不適切使用を理由に首になるケースが出ると思われます。会社のPCは私用では一切使わないと言う姿勢が必要となっています。