蓮舫氏の狙いは次の衆議院選挙?

6月21日東京都知事選挙が告示されました。候補者56人と言いますから、まるで自己アピール大会のようです。しかし実際は小池百合子前都知事と蓮舫前立憲民主党参議院議員の一騎打ちとなりそうです(石丸伸二前広島県安芸高田市長も政治経験はありますが、都民にとっては馴染みがないので有力候補にはならない)。

小池氏は都知事2期の実績があり、かつこの間大きな失敗はないこと、および自分が結党し都議会第二党である都民ファースト、これまで小池知事を支持してきた都議会第三党である公明党および小池知事と敵対していると言われた都議会第一党である自民党が支持していることから、勝利は間違いないと思われます。むしろ関心は、蓮舫氏にどれだけの差を付けるかになります。

一方蓮舫氏は、国会での政権批判は舌鋒鋭いのですが、有権者には対案のない批判だけの人という評価が定着しています。また民主党代表も務めましたが約10カ月で辞任しており、リーダーの資質に疑問があります。こういうことで、男性の有権者で蓮舫氏に投票する人は殆どいないと思われます。女性の有権者の間では好き嫌いが分かれ、せいぜい3分の1の支持があればよい方ではないでしょうか。立憲民主党の支持団体である連合東京は小池支持を表明しているので、組織票もあまり期待できません。そうなると小池氏と思いもよらない大差がつく可能性が高いと思われます。

これは選挙に強い蓮舫氏なら立候補前から予想したと思われます。蓮舫氏は負けることを承知で立候補したと思われますが、問題はその動機、狙いです。狙いはズバリ早ければ年内にも予想される衆議院選挙へ立候補し、衆議院議員となることではないでしょうか。蓮舫氏は2004年7月の参議院議員選挙に東京選挙区から立候補し、以後4期約20年参議院議員を務めています。選挙では最高得票数が多く、参議院なら今後も当選を重ねることが可能と思われます。しかし参議院は衆議院より格下と見られており、蓮舫氏は常に衆議院への転出が噂されてきました。それがいろいろな事情で実現しなかったようですが、蓮舫氏は次の衆議院選挙を衆議院転出の最後のチャンスと考えたものと思われます。東京都知事選挙を次の衆議院選挙の前哨戦、衆議院選挙の事前運動と考えれば、負け選挙でも十分に意義があります。従って蓮舫氏の本当のターゲットは次の衆議院選挙です。