アンモニア体臭は元から断たないとダメ

7月3日のヤフーニュースに「全身から漂う“おしっこの臭い”は「疲労臭」かも」と言うFNNプライムオンラインの記事が掲載されていました。これは、におい研究のエキスパートとして知られる東海大学の関根嘉香教授の研究成果とのことです。疲労臭が厄介なのは、シャワーを浴びても、体を洗っても残ってしまうことだそうです。 それは疲労臭の正体が「アンモニア」で、皮膚から漏れ出ているからだと言うことです(皮膚に付着しているわけではないから洗ってもダメ)。

アンモニアが皮膚から漏れ出る原因は簡単です。それは食事でタンパク質を摂取すれば、腸でタンパク質が分解され、成分であるアミノ酸のアミノ基(NH₂)が水素(H)イオンと結合してアンモニア(NH₃)に変化するからです。アンモニアは有毒ですからすぐに腸から肝臓に運ばれ、無毒な尿素に変えられます。そして大部分は尿として対外に排出されます。しかし排出されなかった一部の尿素は血液循環の中に入り、途中で分解され再びアンモニアとなり、ガスとなって皮膚から漏れ出るのです。こうしないと血液中のアンモニア濃度が上昇し、血液やその成分で満たされている細胞や細胞の集まりである臓器が障害を受けることになります。従って人が生きていくためには、血液中のアンモニア濃度を一定以下に維持する必要があり、アンモニアをガスとして皮膚から放出するのもこの一環です。

この記事では、アンモニア臭が知らず知らずのうちに周囲の人を不快にさせる「臭害」となることを問題にしていますが、実は生きていく上でもっと深刻な問題になっている人もいると思われます。それはアンモニアが人が体内で作り出す最大の有毒物質であり、これがある濃度を超えると細胞や臓器の機能を低下させ、不調や病気をもたらすからです。これを防ぐため人体には肝臓にオルニチン回路(尿素回路)と言われるアンモニアを尿素に変えて無毒化するシステムが組み込まれています。高校生物の授業で習ったクエン酸回路という言葉を覚えている人は多いと思いますが、オルニチン回路という言葉を聞いたことがある人は殆どいないと思います。私が調べたところ医学部や看護学校の教科書にしか出てきていません。しかしアンモニアが体内で日々作られる人体最大の有毒物質であることを考えれば、クエン酸回路と同じくらい重要な回路であることは理解できると思います。アンモニア濃度が高くなると死亡することもありますが、それ以下でも体調不良の原因となります。アンモニアの影響で細胞や臓器の機能が落ちることから当然と言えます。朝からぐったり疲れている、休みの日には疲労で寝ていることが多い人は、体内アンモニア濃度が高過ぎることが原因となっていることが疑われます。

アンモニアが有毒物質であり、その血液中の濃度が人の体調に影響を与えるとなると、毎年健康診断の血液検査で血中アンモニア濃度を検査しモニタリングすべきなのですが、行われていません。それは血中アンモニア濃度の測定が難しいからです。アンモニアは、血液中では大部分尿素の形で存在し、その量が多くなったり体温が高くなったりすると分解し、体外にアンモニアガスとして排出されます。従って検査する場合、採血した血液を低温で保存する必要があり手間とコストがかかる、血中アンモニア量が変動するため検査結果が一定しないことから、よっぽどのこと(肝臓疾患が疑われる)がないと病院では言っても検査してくれません。そのため体内最大の有毒物質アンモニアは放置されている(監視されていない)のです。

私は若い頃から疲れやすい体質でしたが、50歳を過ぎたあたりから疲れが残り朝からぐったりする、階段を上るだけでも疲れる、疲れているのに夜眠れない、物忘れが酷い、本は15分も読めないなどの症状が出て、「あと5年もすれば認知症になり、早死にするな」と自分で思う状況になりました。先ずは不眠症を治そうと考え、病院で睡眠薬を処方してもらう前に市販の睡眠関連商品を試してみることにしました。その際に「朝からぐったりしている人」向けを謳っていた協和発酵バイオのオルニチン(アミノ酸)という商品(機能性食品)を試してみたら、これらの症状が全部解消えたのです。あまりの効果に驚いて調べた結果が前述の蘊蓄です。ネットで「オルニチン回路」と入力し検索すれば、オルニチン回路についての学術的説明が出てきますので、オルニチンが効くメカニズムが理解できると思います(オルニチンの疲労回復効果|働きと効果|オルニチン研究会 (ornithine.jp)。布団の中でアンモニア臭がする、下着がすぐアンモニア臭くなる、ともかくだるい、眠れない人は一度試してみて下さい。キリン協和発酵バイオのHPから試供品が買えると思います。なおオルニチンは、オルニチン回路に運ばれてきたアンモニアを尿素に変える際に必要な物質(アミノ酸)の1つであり、オルニチンが体内で十分作られている人には効果がありません。