テレビのコメンテーターはAIで代替できる

今のテレビ(民放)は芸人とコメンテーターで成り立っているように思えます。これはネットに広告を奪われテレビ番組のスポンサーが減り、番組制作費が削られているためだと思われます。この結果、時代劇やサスペンスもの、長編ドラマなどネットでも見たい番組や将来再放送できる資産が無くなっており、テレビ局はその日暮らしになっているように思われます。一方ではネットの有料放送が契約者数を増やし、お金をかけて優良番組を制作しており、テレビを追い抜きにかかっていることが伺えます。それでもテレビは無料であることから時間潰しに付けっぱなしにするにはもってこいであり、当分命脈を保つと思われます。

7月7日フジテレビ「Mr.サンデー」で東京都知事選挙の結果を扱い、落選ながら約166万票獲得した石丸伸二氏が出演し、コメンテーターの元大阪市長橋本徹氏、元明石市長泉房穂氏などと対話しました。シャープな頭を持ちながらひねくれた性格の石丸氏も、橋本氏、泉氏には実績を評価し丁重な受け答えでしたが、元乃木坂メンバーの山崎怜奈氏が質問すると「前提が違うのでは」と子ども扱いし、ひねくれた性格を全開しました。これがこの後ネットで「山崎フルボッコ」とか話題となりましたが、この事件の背景にはテレビのコメンテーターに対する視聴者の反発があります。多くの番組のコメンテーターが専門外のことにもしたり顔でコメントすることが多く、視聴者から見ると「そんなことだったら私でも言えるわ、ボケ!」と言いたくなる場面が多いのです。以前は本当に専門家の意見が聞きたい場面でコメンテーターに招くことが多かったと思うのですが、今は芸人と同じで時間潰し要員になっています。「Mr.サンデー」の山崎さんも同じような立場にとられ、これまで視聴者の立場であった石丸氏の不満のはけ口になったように思われました。あの事件はコメンテーターが出演している多くの番組で起きえることであり、テレビを見ている人の中には石丸状態である人も多いと思います。

今のテレビではコメンテーターという職業が成立しており、多くの職業コメンテーターがいます。橋本徹氏も弁護士よりもコメンテーターが本業と言っても過言ではないですし、泉房穂氏も政治家枠のコメンテーターとして生計を立てる計画のようです。政治家枠では既に杉村太蔵氏や金子恵美氏がおり、高収入を享受しているようです。弁護士枠では「ひるおび」や「Mr.サンデー」などでコメンテーターを務める八代英輝弁護士が有名です。これらの人たちがコメンテーターの地位を確立している様子を見ると、番組ディレクターが自分に何を要求しているかを察知し、ディレクターが気に入るコメントをするようになっているのが分かります。特に金子恵美氏などは顕著です。

この結果彼らのコメントはパターン化してきており、よく見ている視聴者なら彼らのコメントは予測可能となっています。たぶん彼らのコメントを1年間AIが分析すれば、彼らの代わりにAIが彼らのコメントとそんなに違わないコメントを出すことが可能となります。AIならテレビで言ってはいけない言葉は使いませんし、自民党からクレームが入る言葉も使わず、ネットで叩かれるコメントも防げます。今のテレビに求められている理想的なコメンテーターになります。コメンテーターの多くは将来AIにとって代わられそうです。