管理費高騰でマンションはお先真っ暗
鉄鋼やセメント、設備、人件費などの高騰でマンション価格が高騰しているようです。東京23区内の2023年新築マンション平均販売価格は1億1,483万円だったというデータもあります。23区内で5,000万円台のマンションを探したけど、7,000万円台でないと買えないので諦めた言う人がテレビに出ていました。マンション建築費の高騰はこれからが本番であり、この影響は全国に及びます。その結果、マンション価格は全国的に3~5割程度値上がりすると予想されます。これに連れ現在住んでいるマンション価格も値上がりしますから、マンション所有者は喜んでいる人も多いと思われます。
しかしマンション所有者にも管理費と修繕積立金の爆上がりが押し寄せます。管理費は3~4割、修繕積立金は2~3割の値上げは不可避です(修繕積立金は先送り)。私はかって東京都品川区内のマンションに住んでいましたが、そのときの管理費は月18,000円、修繕積立金は月22,000円でした。このマンションには地下に駐車場(15台。1台34,000円)があり、ここからの収入を管理費に充てていたため、管理費がかなり安くなっていました。隣のマンションでは管理費と修繕積立金合わせて安い住戸でも月5万円を超えていました。これでもこの価格はバブル崩壊後の不況による値下がりを反映したものであり、最近のような物価高騰になるとこれの反動による大幅値上げは避けられない状況にありました。今年からマンション管理会社は管理組合に管理費3~4割の値上げを要請し、応じない場合は契約を打ち切る方針の会社もあるようです。管理会社がそれ程の強硬方針になるのは、点検など下請けに出している業務の価格を上げざるを得ないこと(不況時に値下げを要請してきている)と管理に派遣する人材が不足しているからです。それに古いマンションが多くなり、問題が多いマンションが増えてきたこともあるようです。
マンション管理費や修繕積立金は、マンション販売時には買いやすいように低く抑えられ、販売後値上げが必要となる場合が多いのですが、この部分の値上げと最近の物価上昇が重なり、目を剥くような値上げになる人も出てくるはずです。マンション購入検討の際には、ローン返済については十分検討しますが、今回のような管理費・修繕積立金の大幅な値上がりは考慮していないことが多いと思われます。これに加えマンションの場合古くなると管理も処分も難しくなります。30代で築10年のマンションを買って30年経つと、住人の多くは60歳以上となり、マンションは築40年となっています。こうなるとマンションの買い手はいない、管理費や修繕積立金は高くなる、マンションは空き部屋が多くなる、立て替えも不可能(合意がとれない)と言う風に八方塞がりとなります。こう考えるとマンションは余りよい買い物ではないことが分かります。