中国人に中国批判原稿を読ませ続けたNHKが悪い

8月19日午後にNHKが放送したラジオ中国語放送(国際放送の一部)で、中国人スタッフが靖国神社の石柱に落書きがあったニュース原稿を読み終わった後20秒ほど、中国語で「釣魚島と付属の島は古来中国の領土です。NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と述べ、更に英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と発言し、そのまま放送されたということです。

これは放送ジャックであり、よく内乱などで反乱軍が放送局を占拠し、自分たちの主張や嘘の状況を放送する形態と同じです。中国人によるこの行為は、中国の主張の拡散であり、これが日本国内の放送局、それも公共放送を標榜するNHKでなされたことは大問題です。それも当初NHKは「魚釣島は中国の領土」と述べたというのみで、そのほかの発言は隠蔽していました。それを明らかにしたのは8月22日に自民党の情報通信戦略調査会に呼ばれた席のようです(25日には更なる隠ぺいを公表)。NHKは公表が遅れた理由について、「放送を通じて主張を拡散させたいという外部スタッフの目的を達成させてしまうことになりかねないと考えた」と説明していますが、理由になっていません。中国人スタッフの目的は海外拡散であり、国内拡散ではないからです。

さらにこの事件が起こった後の対応が笑わせます。 NHKは、このスタッフと業務委託契約を結んでいた関連団体を通じて本人に厳重に抗議し、21日付で契約を解除したと説明しています。更にここまで大騒ぎになったことから今後、損害賠償の請求や刑事告訴も検討するとしており、まるで他人事です。もし中国で日本人スタッフが同じことをしたら、即拘束され、悪くすれば国家反逆罪で死刑、少なくとも長期拘留は避けられなかったと思われます。この中国人スタッフはいつでも出国できる状態であり、中国に帰国すればこの放送をSNSで拡散させ、中国では英雄になると思われます。これを防ぐためこの中国人スタッフを拘束するか、出国不能の措置をとるべきです(もう帰国しているという話もありますが、それが事実なら19日の放送後その日の便で帰国した可能性が高く、NHKは知っていて発表しなかった可能性がある)。

岸田政権で防衛費増額や米軍およびNATO各国軍隊との共同訓練、更に経済安保法制の整備など中国の脅威に対する備えを強化していますが、こうも簡単に放送ジャックされ利敵放送をされるようでは「仏作って魂入れず」の状態と言えます。この事件の実体は放送テロであり、NHKばかりかすべての民放局でも起こり得ます。そのため放送安保法制も必要ですし、放送局も武力テロに備えて原発並みの警備体制を敷く必要があります。こうなると自衛隊OBや警察SATなどの経験者で組織する民間軍事会社を設立し、原発や放送局の警備に当たらせることを考える必要があります。

今回の事件に対するNHKの対応を見ると、今でも事の重大性が分かっておらず自民党さえ押さえておけば大丈夫との様子ですが、実務的な再発防止策(外国人にはニュース原稿を読ませないなど)のほか稲葉会長の辞任は避けられないと思われます。

実は本件が発生した根本原因は、NHKが中国人スタッフに配慮せず中国批判(国益が相反する)原稿を読ませ続けたことにあります。私は以前中国語を勉強しているとき毎日NHKの中国語放送を聞いていましたが、中国批判のニュースも中国人に読ませており、読む中国人はどういう気持ちだろうと考えていました。いくら仕事とは言え母国の中国を批判する原稿を中国人に読ませるのは酷(人道に反する)というものです。この中国人スタッフは長い間この業務に携わっていたようですから、こういう点に配慮しないNHKに不満が溜まっており、それが暴発したのかも知れません(「プロフェッショナルではない業務に抗議します」)。この中国人スタッフを処罰するにしても(帰国していたらできない)、NHKは配慮を欠き長い間苦痛を与えたことをこの中国人スタッフに謝罪すべきだと思われます。本件は潤沢な受信料収入に支えられ弛緩しきったNHKで起こるべきして起きた事件であり、国民の8割が不要と考えるNHKの解体は待ったなしです。

(8月26日、林官房長官は「こうした事案が生じたことは遺憾だ。スタッフの発言はわが国の立場と全く相いれないものだ」と能天気なコメントを発表しています。林官房長官は自民党総裁選に立候補するようですが、こんな人を首相にしてはいけません。)