次の首相調査で小泉1位、石破2位と報じた日経はおバカの集まり?

日本経済新聞社とテレビ東京が岸田文雄首相の退陣表明を受けて8月21、22日に緊急世論調査を実施し、首相となる次の自民党総裁にふさわしい人を聞いたら、首位は23%の小泉進次郎元環境相で、2位は18%の石破茂元幹事長だったと大々的に報じています。

私はこの記事を見て「日経は馬鹿ばかりか」と思いました。それはこの数字が日本社会のコンセンサスを反映しているとは到底思えないからです。小泉議員と言えば元自民党衆議院議員で今はテレビの政治コメンテーターとなっている金子恵美氏が「地頭がよくない」とテレビで公言したように学力が低いことで有名です。多分偏差値は安倍首相(40台?)より低く30台ではないかと思われます。これは周知の事実であり、ネットではネタになっています。従って調査にまじめに答えたら次の首相にふさわしい人として1位になるはずがないのです。また2位の石破議員も自民党議員の間で人望がないのは有名であり、最近は週刊誌に「人望ばかりか政策もない」と書かれています。人望については分かりませんが、政策がないのは事実だと思われます。石破氏はよくテレビの政治番組に出ていますが、発言を聞くと「反省すべきは反省しなければならない」「やるべきことはやらなければならない」などの表現が多く、やるのかやらないのか、何をやるのかはっきりしません。要するにテレビを見ている人の反応を探っている(観測気球を打ち上げている)のです。たぶん国会議員で一番の風見鶏ではないかと思います。前々回自民党総裁選に出馬したい際には、重点経済政策として「地方分散」「内需中心経済」を掲げていましたが、日本の実体が見えていない人気取りの政策です。日本のGDPが30年以上伸びず、1人当たりGDPで韓国ばかりでなく台湾にも抜かれたのは、輸出振興政策(外需中心経済)を放棄したからです。アジアでも屈指の工業国家となった韓国は、人口が少なく(約5,000万人)国内経済だけでは豊かになれないとして輸出国家を標榜しました。その結果GDPに占める輸出の割合は約42%に達し、ドイツ(約46%)に次ぐ世界2位の割合になっています(日本は約18%)。台湾もTSMCや鴻海などが輸出により世界的な規模の企業になっており、これが台湾GDP躍進の要因になっています。日本も戦後は加工貿易を掲げ輸出振興に務めた結果、GDP世界2位の豊かな国家になったわけですから、輸出を振興しないと豊かになれないことは経験的に分かると思います。それはバブル崩壊後の日本経済の惨状を見れば明白だし、これから国内は高齢化と少子化で人口の激減が予想されています。こんな中で石破議員が「地域分散」「内需中心経済」を唱えたのは、自民党総裁選の投票権を持つ地方代議員票獲得のため、およびこの考え方の中心議員である二階派の二階会長の支持を得るためと考えられました。このように石破議員は風見鶏であり、定見がないことは明らかです。これは石破議員を取材している記者が多い日経は良く知っているはずです。

従って緊急世論調査で小泉1位、石破2位の結果が出たとすれば、「調査方法が悪いのでは」と考えるべきなのです。世論調査の方法を見ると、コンピューターが無作為に選んだ電話番号に日経の調査員が架電する「乱数番号(RDD)方式」による「標本調査」で、出馬が取り沙汰される議員11人から1人だけを選んでもらう方式になっています。

この調査で問題なのは、いきなり架かって来たこういう調査にまじめに答える人は少ないということです。普通答えずに電話を切ります。答える人はよっぽど暇な人か、からかい半分の人です。その場合答えるのはテレビなどで良く名前を知っている人ということになります。その結果よくテレビに出ている、または名前が報道される小泉議員と石破議員と言うことになります。これは選挙で誰に投票するか決める場合と全く違っています。選挙の場合は真剣に候補者の適正を考慮します。それに候補者は地元出身であり、人となりや能力もある程度分かります。だから今回の世論調査のように良く知らない候補者を11人示されて、名前を良く知っている人を答えるようなことはありません。

このように今回の調査方法では有効な結果など出ないことは明らかです。もし日経として自信がある世論調査をするとしたら、日経の読者に往復ハガキかメール(日経電子版の読者)でアンケートを採ることです。日経の読者はビジネスマンが多く、かつ選挙にも行く人が多いと思われますから、ある程度社会コンセンサスに近い信頼できる結果出ると思われます。こんなことも分からない日経はおバカの集まりですか?(日経think!に書いている学者さんたちも提灯コメントばかり書かず、ちゃんとアドバイスしてあげないと)