広島市は福岡市に負けていない!
ヤフーニュースに広島市は転入よりも転出が多いという記事があり、その記事のヤフコメを見ると、福岡市との比較が多いのに気付きました。福岡市は魅力的で、それに対し広島市は魅力がないという意見が目立ちました。広島市から若者の転出が多いようですが、それは大学が少ないこと、および若者の魅力的な就職先が少ないことが原因のようです。また有名歌手のコンサートも広島はパスされており、これに対する不満も多いようです。
これに対し福岡市は大学や専門学校の数が多く、かつ流通サービス業が多いことから若者の就職先も多くなっています。従って若者の総数としては圧倒的に転入超過です。しかし福岡市住民の子息はやはり東京を中心に大学進学や就職で出ていく人が多くなっています。それを埋めているのが九州の他県から来る若者です。広島市は福岡市に比べて中国地方の他県からの流入が少ないのではないでしょうか。それは大学や専門学校が少ない、娯楽の場が少ない、流通サービス業が盛んでないことが影響しているように思われます。
森記念財団の都市戦略研所が毎年発表している都市特性評価(都市ランキング)によると、福岡市は5位で広島市は10位になっています。だいたい人口の順位と同じです。福岡市と広島市で差が大きい評価項目は経済・ビジネス(福岡市2位、広島市66位)です。福岡市と広島市はブロックの中心都市であり、電力やガス、鉄道、銀行など似たような基幹企業が存在し、広島市には売上高約5兆円を誇るマツダの拠点があり、福岡市にはこれと匹敵する企業はありません。従って基幹産業で見れば広島市が上のように思えます。たぶん流通サービス業において福岡市が広島市を大きく上回っているのではないでしょうか。ただしデパートで見ると広島市4つ(そごう、福屋、三越、天満屋)と福岡市4つ(阪急、大丸、三越、岩田屋)同数で互角です。ということはその他のサービス業の裾野が福岡市の方が広いということでしょうか(県民1人当たり所得(2020年)で見れば広島県297万円、福岡県263万円となっていますから、市民一人当たり所得で見ても広島市が福岡市を相当上回っていると思われます)。
私が都市力において福岡市より広島市の方が上ではと思うのは、プロスポーツにおいて福岡市より広島市の球団が強いからです。プロ野球では広島カープがセリーグでトップを争っていますし、毎年強いです。サッカーにおいてはサンフレッチェ広島が優勝を争っています。バスケットボールにおいては広島ドラゴンフライズが昨シーズン優勝しています。これに対して福岡市では、プロ野球ではソフトバックがぶっちぎりの1位ですが、これは福岡市と言うよりはソフトバンク(孫さん)の力と言えます。サッカーはアビスパ福岡がありますが、毎年良くて10位、悪くすれば降格争いです。バスケットボールではライジングゼファー福岡がありますが、万年2部です。このように広島市の球団は常勝体制が出来上がっていますが、福岡市の球団はこれがありません(ソフトバンクは除く)。これは広島市と福岡市の風土の違いによるものと思われます。広島市は球団経営がメーカー的(モノづくりのようにしっかりしたプロセスを踏んでいる)であり、福岡市はサービス業的(売れるときもあれば売れないときもある。成り行き任せ)なように思われます。従って福岡市民より広島市民は合理的であり、仕事の練度は高いように思われます。そのため経済的に東京に近いのは広島市であり、都市の地力は相当のものだと思われます。一方福岡市は仕事の練度は高くないのですが、常に変化して捉えどころのない町であり、それが元気な秘訣のように思われます。広島市民の皆さん、広島市は福岡市に負けていませんよ。