NHK解体か自民党解体かの問題
8月19日午後にNHKが放送したラジオ中国語放送(国際放送の一部)で、中国人スタッフが靖国神社の石柱に落書きがあったニュース原稿を読み終わった後20秒ほど、中国語で「釣魚島と付属の島は古来中国の領土です。NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」と述べ、更に英語で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」と発言し、そのまま放送されたということです。
これに対してNHKは、このスタッフと業務委託契約を結んでいた関連団体を通じて本人に厳重に抗議し、21日付で契約を解除したと説明しましたが、その後NHKの責任を追及する声が大きくなったことから、今後損害賠償の請求や刑事告訴も検討すると言い出しました。しかしこのスタッフは放送後その日のうちに帰国したと思われ、実際は何もできなかったし、今後も何もできないと思われます。
本件が発生した原因は不明ですが、私が考えるにNHKがこの中国人にスタッフに配慮せず中国批判(国益が相反する)原稿を読ませ続けたことにあります。私は以前中国語を勉強しているとき毎日NHKの中国語放送を聞いていましたが、中国批判のニュースも中国人に読ませており、読む中国人はどういう気持ちだろうと考えていました。いくら仕事とは言え母国の中国を批判する原稿を中国人に読ませるのは酷(人道に反する)というものです。この中国人スタッフは長い間この業務に携わっていたようですから、こういう点に配慮しないNHKに不満が溜まっており、それが暴発したのかも知れません(「プロフェッショナルではない業務に抗議します」)。または長年中国を批判する原稿を読んでいたことから、中国に帰国したら反愛国者として逮捕拘束される恐れがあったことから、今回の事件でそうでないことを証明したかったのかも知れません。
NHKの2024年3月期決算は、昨年10月からの受信料引き下げで136億円の赤字になっていますが、現金ベースでは644億円の黒字であり(減価償却費という現金支出を伴わない費用が781億円あるため損益は赤字で、現金収支は黒字になる)、現金有価証券は140億円増えて6,481億円(子会社分も含めると7,335億円)あります。それ以外に渋谷の放送センターや全国の県庁所在地の一等地に放送局を持っていますから、正味資産は1兆円を超えると思われます。これだけあればNHKは受信料収入がなくても10年間は社員に給料を払い続けられます。一方で受信料を払う国民は、増税や社会保険料の引き上げで公的負担率は50%を超えており、生活が逼迫しています。NHKが不要と考える国民は8割を超えており、民主主義国家ならNHK受信料を廃止し、国民の負担を軽減するところです。実際英国ではNHK受信料の手本となったBBC受信料を2027年限りで廃止する予定であり、これを知ったフランスのマクロン大統領は2022年からフランス公共放送負担金を廃止しました。これこそ民主主義国家のあり方ですが、自民党はNHK受信料を堅持する姿勢です。
今回の事件後NHKの稲葉会長は自民党の情報通信戦略調査会に出席し、事件の経緯を説明したようですが、調査会からはNHK制度見直しの声は聞こえてきません。これを見れば自民党がある限りNHK制度は維持され、国民は受信料を払い続けることになりますので、受信料廃止を望む有権者は選挙で自民党に投票しないことが必要です。NHK解体か自民党解体かの選択を迫る必要があります。
(自民党の和田政宗参議院議員は、今回の事件はNHK稲葉会長の辞任に値する事件であり、今後NHK予算の不承認および放送法の改正も含めてNHKの責任を追及していくと述べていますから、全力で応援しましょう。小野田紀美参議院議員も。)