「七転び八起き」の人になってはいけない

「七転び八起き」ということわざがありますが、この意味は、「7回転んで8回起きるという意味から、倒れてもくじけず起き上がること。 つらいことにめげずにがんばりぬくこと。 」となっています。この言葉が使われる場面は、チャレンジが失敗した場面か、失敗したあと成功した場面です。従ってこの言葉を掛けられる人は1回以上の失敗をしていることになります。この人の偉いところは、失敗にくじけず再チャレンジした(する)ところです。しかしこの言葉から受ける印象としては、何回も失敗する人、成功癖が付いてない人です。この言葉のモデルの人がいたとすれば、7回も失敗してその度にくじけず挑戦し成功を勝ち取ったことになります。多分この後亡くなったから「七転び八起き」という諺になったものと思われます。

これは若者が覚える諺ではないと思われます。なぜなら何回も失敗しない方が良いからです。私はベンチャー企業への投資の仕事をしていましたが、投資を決めるに際しては経営者の資質が重要となります。その際これまでの実績を見るわけですが、先ず大きな失敗のある人は除きます。なぜならまた大きな失敗をやらかす可能性が高いからです。投資審査の対象になっているということは、失敗した後また努力して成功しているのですが、「七転び八起き」でまた失敗する可能性が高いのです。多分その次にはまた成功すると思いますが、そのその次にはまた失敗します。その結果大きな成功は得られない可能性が高くなります。

大きな成功をするためには、成功した体験だけを心に留め、失敗した体験は一切心に留めないことです。これだとまた同じ失敗するではないかと言われそうですが、同じ失敗にはそう出会いませんから大丈夫です。成功体験を心に刻んだ人は、その成功体験と似た現象に出会ったとき反応します(飛び付く)。そしてそれが次の成功に繋がることが多いのです。失敗体験を心に刻んだ人は、その失敗体験と似た現象に出会ったとき、反応します(絶対引っかからないぞと身構える)。しかし話を聞いたり調べてみると失敗経験とは違うと思うようになります(同じものはそうない)。その結果またやることになりますが、最初の直感が当たっていることが多いのです。要するに人は心に深く刻んだ出来事に対して反応するようになっています。そうなら成功を心に刻み、失敗は一切刻まないことがよいことになります。大きな成功者は「七転び八起き」の人ではありません。