NHK分社化は維新の勝負公約!
総選挙の真っ最中ですが、新聞報道によると自民党の過半数割れ、場合によっては自公過半数割れもあり得るという報道が多くなっています。こういう報道があると「それはないけない」と考えて自民党候補(自民党)に投票する人が増えるので、ちょっと嫌な報道ではあります。各政党はいずれも政治改革を公約の中心に据えています。これは自民党裏金事件があってこれが有権者の最大の関心ごとと捕らえているからと思われますが、果たしてそうでしょうか?裏金事件対策としては、自民党と公明党は漸進的改善(政策活動費の透明化)となり、立憲民主党や共産党は政策活動費の全面的廃止という風に二極分化しています。日本の維新会も政策活動費の廃止を打ち出していますが、「領収書の10年後公開」という自民党が驚く提案をした政党ですから、誰も信じていないと思われます。政治改革については言うだけで実現には結び付かないことは自明であり、各党が重視するほど得票に繋がらないと思われます。得票に繋がるのは、自民党や公明党なら物価高助成金や給付金であり、立憲民主党や共産党なら不公平税制の是正(法人税引き上げ、所得税や消費税引き下げ、金融課税強化)など有権者の生活に直結する公約になると思われます。維新は政策活動費の「領収書の10年後公開」で信頼は失くしてしまい、何を訴えても信じてもらえない状況です。たぶん今のままでは2~3割議席を減らすことになると思われます。
こんな維新が前面に出せば得票増加に繋がる公約があります。それは「NHK分社」です。この公約については、維新が前面に出していないことから殆どの有権者が知らないと思われますが、維新の公約集「維新八策」の5番目「成長戦略:情報通信・テクノロジー」の中に228として
「NHK は公共放送として報道・教育・福祉番組等に重点を置くこととし、それ以外の放送番組については分割して民営化します。あわせて、 NHK 受信料について、視聴分量に応じた受信料制度、または報道番組等に特化してスリムになった NHK の運営に要する費用を国民が負担する制度を導入して適正化を図ります。(法案提出済み)」
という記述があります。この政策はNHK受信料を払わされている国民の多数意見を採用したものであり、この公約を国民に広く知らせれば多数の有権者が維新に投票してくれるはずです。NHK受信契約対象世帯は約4,000万あり、このうち約20%の約800万世帯が未払いです。この世帯にはNHKが継続的に支払いを求めて訪問しており、身の危険を感じることもあるようです。この20%という数字は年間所得200万円未満の世帯の割合と同じであり、払いたくても払えない状態です。NHKを全く見ない世帯が増えており、国民1人が1日にNHKを見る時間は約5分と言われています。これで月2,000円を超える受信料を払わさせるとはボッタくりです。これに対抗するためテレビを廃棄する家庭が増えており、この影響はNHKばかりであなく、民放やテレビメーカーに及びます。
NHK受信料の手本となった英国では2020年の総選挙で保守党がBBC受信料の廃止を公約に掲げ大勝し、EU離脱を成し遂げました。これを見たフランスのマクロン大統領は2022年の大統領選挙の公約にフランス国営テレビの受信料(税)廃止を掲げ、当選したその年に廃止しました。このように公共(国営)放送受信料廃止は、政権を左右する公約になっています。従って維新は「NHK分社」の公約を前面に出して戦えば、確実に得票が増えます。
9月26日にNHKのラジオ国際放送の中国語ニュースで中国籍の外部スタッフが、沖縄県・尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にない発言をした問題を巡り、9月10日に引責辞任した傍田賢治前理事が、その1週間後にはメディア総局のエグゼクティブプロデューサーとして再雇用されていたことが分かりましたが、これについて稲葉NHK会長は「本人が悪質なことをしたわけではなくきちっと責任を取ったのだから、再雇用は問題ない。」と述べました。この論理が通るのなら、上司は形式的に責任をとればよいことになります。如何に現実離れしたいい訳か分かります。稲葉会長になってからNHKでは不祥事が続発していますが、その背景には稲葉会長のこういう態度があると思われます。ヤフコメにはいつも以上にNHKに対する怒りの声が溢れており、維新は残りの選挙期間「NHK分社」の公約を前面に出して戦うべきです。