石破首相の仏頂面で自民党惨敗

現在総選挙の真っ最中ですが、新聞報道では自民党の単独過半数割れが予想されています。マスコミによっては自公過半数割れを予想するところもあります。その原因としては裏金事件を上げるものが多いですが、もう1つは石破首相の予想以上の不人気があります。石破首相就任直後の新聞調査で「石破首相に期待する」と答えた人の割合は50%弱と大変低い数字でした。前任の岸田首相では70%、その前の菅首相の場合80%ありましたから、異常値と言えます。なぜこんなに低くなったかというと、総裁選中に言っていたことと首相就任後にやったことが大きく違ったからだと思われます。例えば解散総選挙については、小泉進次郎候補が「首相就任後即解散」と言っていたのに対し、石破候補は「それでは国民は判断のしようがないから予算委員会での論戦を経た後に解散」と言っていましたが、首相就任後には「速やかに解散する」に変わり、10月1日の首相就任後10月9日には解散しました。これは首相就任時が人気のピークであり、その後時間が経てば経つほど人気は落ちるという法則を森山幹事長などから説かれ受け入れたと言われています。しかしこれが逆目に出て国民からは「定見がない」と採られてしまったようです。

これを埋め合わせるために裏金議員の一部を非公認に、それ以外の裏金議員の多くに比例重複立候補を認めないこととしたことも裏目に出たように思われます。なぜかというと時間が経って薄れていた有権者の裏金問題の記憶を蘇らせることになったからです。多分森山幹事長が言っていたように「もう処分は済んでいる」としてそのまま公認した方が傷は浅かったと思われます。

加えて首相就任後テレビによく出る(映る)ようになって、石破首相のテレビ映りの悪さ、場の空気を悪くする態度に嫌気を指している国民も多いと思われます。石破首相がテレビカメラの前で話す場合、いつも仏頂面であり見ている方は気分が悪くなります。10月10日からラオスの国際会議に出席し中国の李首相と会談しましたが、その際にも仏頂面で挨拶を交わしており、会談もまるで事務局の詰めの作業のような雰囲気でした。岸田首相や安倍首相はどんなに厳しい交渉でも相手とにこやかに挨拶しており、これが外交に当たる者の通常の態度でしょう。ロシアのラブロフ外相なんか嫌われているのを分かっていながらテレビカメラの前ではにこやかに振る舞っています。

現在自民党への投票を呼び掛ける石破首相(総裁)出演のテレビCMが流れていますが、その中でも石破首相は仏頂面であり、話す言葉も「ルールを守る」「約束も守る」「日本を守る」「約束と共感」とか具体的内容がない抽象的言葉が多く、心に響きません。「この人道徳の伝道師か」と思わせる内容です。これを見て石破首相のファンになり、自民党に投票する人は皆無だと思われます。むしろ自民党へ投票することを止めさせる原因となっています。多分自民党は大敗するでしょうが、その原因の大部分は石破首相の不人気にあり、歴史上「石破惨敗選挙」と言われることになります。