韓国・台湾・中国の大学授業料は日本の半分以下
韓国の大学授業料(登録金)は、国立大学文系で年間約25万円、理系約35万円、私立大学は国立大学より約10万円高い文系約35万円、理系約45万円となっています。
大学のレベルとしては、世界ランキング(times)で国立トップのソウル大学が56位、私立大学トップの延世大学が78位(以上2023年)となっており、ソウル大学が京大レベルであり、延世大は日本の私大トップの慶大(600~)より遥かに高い順位にあります。これを見ると国立は日本と同じレベル、私立は遥かに高いレベルにあると言えます。
台湾の大学授業料は、国立大学で年間約30万円から約35万円、私立大学で約40万円から約45万円です。国立で台湾トップである台湾大学のレベルは、世界ランキング69位とほぼ京大レベルと言えます。
中国の大学授業料を見ると、北京の一流大学である北京大学や清華大学の授業料は学部生で年間約10万円、大学院生で約20万円となっています。
ただし、有力大学の工学や理学関係の学生は大学院生を中心に学費が免除され、さらには政府や民間企業から生活費の支給も行われている場合が多いようです。
日本の国立大学授業料は535,800~642,960円となっていますから、韓国と台湾は約半分、中国に至っては5分の1から6分の1となります。
日本がGDP総額で中国に大きく引き離され(中国の約4分の1)、1人当たりGDPで韓国および台湾に抜かれた原因は、大学授業料のこういった実体にあると思われます。大学に入るまでの学費は各国とも原則無償であり、大きな差はありません。しかしながら大学になるとこのような差が生じており、これが大学生の学力差になって現れていると考えられます。
日本が今後1人当たりGDPで韓国や台湾を抜き返すには、科学技術を発展させ輸出を増やすしかなく(GDPに対する輸出の割合は韓国約42%、日本約18%)、そのためには大学理工系学生が勉強や研究に没頭できる環境が必要です。そのために最も必要なことは、国立大学授業料の無償化(私立は現在の半額)となります。現在国から国立大学法人に交付されている予算はわずか約1兆円であり、これなら所得税や法人税などを0.数%引き上げれば賄えます。その他高額医療費を削減し大学無償化の原資とすることも考えられます(高額医薬品を使っても延命できなるのは平均数日)。日本は大学生を虐めすぎです。