公明党惨敗でも創価学会の支援は過去最高レベル

10月27日投開票の総選挙では、自民党が56議席減らして191議席、連立政権を組んでいる公明党が8議席減らして24議席、両党合計で215議席と過半数の233議席を割り込んでしまいました。

公明党が8議席減らした原因については、自民党支持者が裏金事件の影響で自民党離れを起こした結果、小選挙区で公明党候補に投票しなったことと共に、支援団体である創価学会の組織力が落ちたからと言われています。創価学会の組織力が落ちたと主張する説は、比例区での得票数が2021年総選挙での711万票から今回596万票へ15万票減ったことを根拠としていますが、比較する対象が間違っています。比較すべきは、2022年の参議院選挙比例代表の得票数618万票と今回の596万票です。2017年総選挙での公明党の比例得票数698万票であり、2021年の711万票は異常な数字です。これはこの総選挙の際公明党がコロナ対策として18歳以下の子供1人当たり10万円給付することを公約に掲げたため、学会員以外からの得票が増えたと考えられます。当時のテレビのインタビューで「これは有難い」と答えた人がかなりいました。

そう考えると697万票(2017年衆議院選挙)→653万票(2019年参議院選挙)→618万票(2022年参議院選挙)→596万票(2024年衆議院選挙)と自然な流れとなります。この結果今年の衆議院選挙の得票は2022年参議院選挙より22万票(3.5%)の減少に留まっていることになり、前2回の約40万票の減少より小さくなっています。3.5%の減少は学会員の死去に伴うものと考えられ、生存の会員(有権者)はほぼ漏れなく公明党に投票したことが伺えます。2022年4月17日に行われた春日部市議会議員選挙で公明党の得票数は前回より約18%、2022年12月9日に行われた茨城県県議会議員選挙でも同じく約13%、西東京市議会議員選挙で約12%減少しているのを見れば、今回の減少率3.5%は奇跡とも言えます。従って今回の総選挙の比例区を見れば公明党はほぼ取りこぼしは無かったと言え、大健闘と言えます。投票所ごとに声を掛け合って投票に行くシステムができていたのではないでしょうか。誤算は小選挙区でそれまでの9人が4人に減少したことです。そもそも小選挙区では創価学会票だけでは当選できないところ、自民党との選挙協力で当選者を出してきましたが、自民党裏金事件で自民党支持者が自民党離れを起こし公明党候補にも投票しなかったものと考えられます。むしろ4人当選したことが奇跡と言えます。

このように見てくれば、10月総選挙の結果では公明党惨敗ながら創価学会の支援(動き)は過去最高と言えるレベルにあったように思われます。