慶大boys&girlsは社会のリスクファクター
11月17日投開票の兵庫県知事選で、落選確実と言われた前知事斎藤元彦氏が奇跡の当選を果たし、斎藤氏が時の人となっている中で、兵庫県西宮市にあるPR会社「株式会社merchu」の代表取締役折田楓氏がその3日後の11月20日、インターネットの投稿プラットフォーム「note」に「斎藤氏の依頼により選挙の広報戦略全般を担当した」と投稿したことが、斎藤氏に公職選挙法違反の疑惑を呼ぶなど大きな波紋を呼んでいます。折田氏が公開した投稿によると、折田氏の会社merchuは公約スライドの作成のほか、SNSの公式アカウントの開設や運用を手がけたとなっています。公選法では、選挙活動で報酬を支払うことができるのは事務員や車上運転員などに限られていますので、もし折田氏の会社が有償で請け負っていれば公選法違反になるというわけです。
この投稿は斎藤氏を公職選挙法違反の容疑者とする一方、折田氏についてもSNS上で「クライアントの情報を公開するとは非常識」「承認欲求の塊」「これおれ詐欺」などの非難が溢れています。通常なら斎藤氏の公職選挙違反容疑に焦点が当たりますが、今回は折田氏にも同じくらい焦点が当たっています。それは上記SNS上での観点の他、折田氏が慶大湘南藤沢キャンパス(SFC)出身だったからです。SFCは1990年に創設された慶大の中で最も新しいキャンパスと学部で、3学部(総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部)と2研究科が置かれていますが、SFCと言えば通常総合政策学部、環境情報学部を指します。折田氏は総合政策学部を卒業しているようです。慶大は江戸時代である1858年創立で三田や日吉キャンパスにある学部は長い伝統を持っており、実業界に多くの人材を送り出しています。そんな中で歴史が浅いSFCは慶大の中では傍流と言われる存在で、慶大生の中では慶大と認めない学生もいると思われます。その結果SFCは慶大の中では比較的入りやすくなっており、経済学部や法学部などの伝統学部に入れない学生が入学するところという評価です。特に総合選抜制度(AO入試)の割合が高いと言われています。AO入試では一芸に秀でた学生を選抜するため、SFC卒業生の進路としては芸能人やアナウンサーが多いという特徴があります。折田氏もSFC時代芸能人と仲が良かったと言われて入り、このトレンドに沿っていたと思われます。慶大生の最大の特徴は裕福な家庭や社会的地位が高い家庭の子弟が多いことですが、SFCも例外ではありません。折田氏も医者の家庭に育って高校および大学時代にフランス留学をしているということですから、典型的な慶大OBと言えます。
本件が話題になってからネット上に「またSFCか」という声が多く見られます。これはSFC出身者には折田氏のような行動をする人が多いことを表しています。SFCは未来をデザインする、政策を提言する、自分で実行する人材の育成を目指しているので、過去には興味なくひたすら未来を語る人材が多いと言われています。その結果、過去や現実への関心は薄い未来志向型の人材が多くなる傾向があります。それに自分が育った家庭が上流階級に属していることもあって、一般庶民の気持ちが分からない、というより一般庶民には関心がない(ああはなりたくないと考えている)人が多くなります。今回折田氏が常識的な感覚を持っていればあり得ないクライアント情報をネットで公表するという暴挙に出たのもこの表れということができます。
2021年には慶大卒の若手経産官僚2名が共謀してコロナ給付金を詐取するという事件が起きましたし、翌2022年には同じく慶大卒の若手経産官僚が準強制わいせつ罪で逮捕されています。今年5月に水俣病患者団体と伊藤環境大臣との懇談会で、患者が意見を述べている中3分が経過したとしてマイクが切られる事件がありましたが、この場の責任者だった環境省特殊疾病対策室木内哲平室長も慶大卒(医学部)でした。今年3月には伊藤公平慶大塾長が中央教育審議会の席で「国立大学の授業料を現在の約3倍の150万円に引き上げるべきだ」と主張しました。この理由として「欧米の大学の授業料は最低でも300万円であり、これくらいないと良い教育はできないから」と述べましたが、嘘だらけでした。というのは、これは英米の私立大学のケースであり、欧州大陸国の多くの国は(フランス、ドイツなど)国立大学中心で大学授業料は実質無償です。また米国では約7割は州立大学に通っており、私立大学に通う学生は約3割に過ぎません。また日本が比較すべきは、英米の私立大学ではなく韓国、台湾、中国の大学ですが、ここの大学授業料は、日本の半額以下となっており、これが日本が経済でこれらの国に抜かれた原因になっています。また国立大学の授業料が150万円になれば、大学に進学できない学生が多数出ることは明白であり、若者を不幸にするばかりか理工系人材の不足をきたし日本経済の没落を招きます。
慶大に通う学生の家庭にとって授業料150万円ははした金のようですが、平均年収が約450万円である日本の給与世帯にとっては負担不可能な金額です。このような常識に思いが至らない塾長がいる慶大卒業生から不祥事が多発するのは当然と言えます。
また実業界に優秀な人材を送り込んでいる慶大ですが、企業でもOB組織三田会を組織し、慶大OBが社長になろうものなら代々社長の座を後輩の慶大OBに引き継ぐ、役員幹部に後輩の慶大OBを引き上げ、その会社を慶大カラーで染めてしまいます。そのため他大学出身者は公平な競争ができず、あきらめて過ごすことになります。これは日本経済にとって大きな弊害となっています。
このように慶大OBが社会に及ぼす弊害が多くなっており、折田事件はその表れの1つに過ぎません。庶民としては選挙で慶大OB候補者に投票しないようにしないと、慶応感覚で法律が作られ苦しむことになります。