福岡県知事には斎藤兵庫県知事に負けない人を
福岡県の服部誠太郎知事が11月26日、任期満了に伴う県知事選(来年3月6日告示、23日投開票)に再選を目指して立候補を表明しました。服部知事は県財政課長や福祉労働部長などを歴任し、小川洋知事時代に約9年半にわたり副知事を務め、小川知事が3期目の任期途中で病気辞職したことに伴う2021年4月の知事選で当選しました。そのときの知事選では、自民党県議団など主要会派から要請を受ける形で出馬し、自民、立憲民主、公明、社民各党の推薦や、県農政連、連合福岡など多くの団体の後押しを受けて当選しました。
前の小川知事は知事と議会は対等の姿勢で自民党県議団の要望をあまり聞き入れなかったことから3期目選挙で自民党から対立候補を立てられましたが、3選を果たしました。このような経緯もあり小川知事の後任として自民党県議団が選ぶ候補の条件は、「自民党県議団の言うことをよく聞く人」であったのは自明であり、服部知事はこの条件に合致したことになります。服部知事となった結果県議会が知事に優越する形となり、服部知事は県議会にとって好都合と言えます。また県職員にとっても仲間であり厳しい要求もないことから良い知事だと思われます。
一方県民にとってはどうでしょうか。服部知事にはこれと言った実績はなく、粛々と県の業務をこなしているという印象です。福岡県は人口5,095,379人(2024年1月1日現在)と全国第8位に当たる大きな県ですが、福岡市(約166万人同)と北九州市(約91万人同)という2つに政令指定都市(県の関与を殆ど受けない)を除く人口は約253万人であり、これが福岡県の管轄範囲と言えます。福岡県の人口が余り減少していない(2024年は約1万人の減少)は人口増加が著しい福岡市を抱えるせいであり、福岡県の管轄地においては他の府県と同様な問題(人口減少、高齢化)を抱えています。従ってこれを解決するのが新知事の役割ですが、服部知事に期待できるかが問題となります。
人口で福岡県の上は兵庫県(約543万人)であり、次の福岡県のターゲットは兵庫県となります。兵庫県は江戸時代の5国(摂津、播磨、淡路、丹波、但馬)で構成される雄県であり、なかなか強敵です。兵庫県一の都市である神戸市(約149万人同)は人口で福岡市に抜き去られ大差を付けられていますから、やりようによっては追いつくことも不可能ではないと思われます。しかし兵庫県には県議会で全員一致の不信任決議を受けながら再選を果たした斎藤知事がいます。斎藤知事が再選を果たした理由は、3年間で財政を好転させるなど顕著な成果を出したからです。以下が斎藤知事の実績とされています。
・1000億超えの県庁舎建て替えストップ
・知事の報酬カット(給与30%、退職金50%減額)
・高級車「センチュリー」を廃止
・職員OBの天下りを規制
・県の貯金33億円を127億円までアップ
・県立大学無償化
・私立高校の実質無償化
前知事が5期20年も君臨し県庁には前知事の子飼いの職員が多く、議会も前知事と蜜月だった中1人で県庁に乗り込み、3年でこれだけの改革をやり遂げたことは奇跡的です。維新による大阪府市改革の結果大阪府市では高校授業料無償化を実現し、大阪公立大学の無償化も予定されているなど子育て環境が整っていることから、昨年1年間で大阪府の人口は16,055人増加しています。一方兵庫県は逆に32,972人減少しており、若者の転入・定着が課題になっていますが、斎藤知事は全国で初めて県立大学無償化を行うなど期待できます。
兵庫県が次のターゲットとなる福岡県知事は斎藤兵庫県知事に負けないような人が求められています。