兵庫県の百条委員会は県議のパワハラも調査すべき

1月22日大阪のTV放送局MBSは、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調査している百条委員会が「チャットを使った業務時間外の職員への指示」などをパワハラ認定する方向で調整していると報じました。これを掲載したヤフーニュースには5,000件を超えるコメントが書き込まれていますので、斎藤知事を巡る兵庫県の問題には、まだ高い関心が持たれていることが分かります。コメントは、結論ありきだと憤慨する意見と当然という意見に分かれており、斎藤知事支持派と引きずり降ろし派の対立が今尚続いていることが伺えます。

確かにこの記事を読むと結論ありきで多数派工作がされているように思われますから、心ある百条委員会の委員は憤慨していると思われます。翌日午前百条委員会の奥谷委員長が記者会見し、現状は「証人の証言の整理ができてきた」段階にすぎず「パワハラを認定するかどうかの協議はこれから始める」と述べ、この報道を否定しています。たぶん百条委員会の多くの委員がこの認識だと思われます。奥谷委員長はMBSに記事の訂正を求めたようですが、MBSは十分な取材に基づいているとして拒否したとのことです。これだけの記事を書くためには相当の裏付けがあると思われ、情報源は百条委員会で多数を占める自民党の有力県議だと思われます。

本件のパワハラというのは、百条委員会のテーマである元県民局長の告発内容(7つ)の1つです。パワハラと認定されると報じられた1つは、斎藤知事が深夜や休日にチャットで幹部に問い合わせや指示を行っており、2022年4月から2023年3月までの1年間で2,165件もあったということです。この点について斎藤知事は百条委員会で「幹部職員ということもあって気持ちの甘えがあったという風に思ってますので、そこは負担に思われた幹部職員にはお詫び申し上げたい」と釈明しています。

もう1つは、斎藤知事が出張先で出入口の20メートルほど手前で公用車から降ろされた際に告発者らを強い口調で叱責したことです。これについて斎藤知事は「会議が始まる直前で、外だったこともあり、大きい声でその旨伝えたと記憶している。歩かされたことに怒ったのではなく、円滑な車の進入を確保していなかったことへの注意です」と、業務上必要な指導との認識を示しています。

これを見ると何も認定しないのは癪だから、この2つをパワハラと認定してやろうとしているとしか思えません。チャットによる指示については、指摘し是正を迫ることはよい(もう本人が改めている)にしても、20m手前で降ろされて叱責した件については斎藤知事の言い分も最もであり、かつ1回きりの出来事であることから、パワハラとは認定できないと思われます。

こんなことをしていたら百条委員会はパワハラ相談所となってしまいます。県庁で最もパワハラが多いのは県議とも言われており、斎藤知事のパワハラを認定するのなら県議のパワハラについて調査し(県職員の申告を受け)、百条委員会で審議する必要があります。そうすれば百条委員会の委員の中には委員の資格がない人が多数出てくると思われます。百条委員会は斎藤知事を引きずり下ろすために作られた委員会であることは明白であり、斎藤知事再選で不信任されたことから、静かに役割を終えるのがよいと思われます。