日本の医療レベルの低さがアジアにばれた
2月2日台湾の人気タレント・女優のバービィー・スー(徐熙媛)さんが日本旅行中にインフルエンザの合併症で48歳の若さで死亡したという報道を見て、私は「日本の医療システムが問題になるな」と思いましたが、やはり台湾や中国のネット上では「日本じゃなく、台湾や中国なら死なずに済んだ!」「日本の医療レベルは低い」の声が溢れているようです。
これに対してネット上で在日中国人が「日本での病院受診体験」として日本の医療システムを次のように紹介しています。
「日本は段階的な診療システムがある。まず地域の小規模なクリニックで診察を受けなければならない。そこで治療ができないと判断されれば、医師の紹介状を持って初めて大病院を受診できる」
「風邪の初期段階では、受診したクリニックで血液検査や抗生物質投与は一切なく、自己免疫力での回復を待つ方針だった。しかし症状が改善せず悪化したため、やむを得ず順天堂大学付属病院を受診したところ、即座に入院となり抗生物質を処方された。最初から抗生物質をもらっていれば、入院せずに済んだかもしれない。日本の医師は抗生物質使用に対し非常に慎重だと感じた」
「地域の病院(のレベル)は運次第だ。地域の病院でもらった薬が効かず、最終的に肺の中に水が溜まって心筋炎になり、ICUに2週間も入る羽目になった」
「日本では患者のカルテが病院にあり、請求しないと手に入れられない。別の病院に行ったときに病状を正確に伝えるのが難しい」
上記のコメントは割と正しく日本の医療システムを伝えています。スーさんは体調が悪いのを押して家族と5日間の日本旅行に来たようで、箱根に滞在しているときに体調が悪化し救急車で病院に運ばれたようです。そこで東京の病院に移り入院することを進められたようですが、直ぐに台湾に帰国する予定だったことから謝絶し、その後病状が悪化し死に至ったようです。
在日中国人の「日本では抗生物質をあまり使用しない」という点について日本の専門家は、
「日本では一般的に、風邪に対しては対症療法のみで経過観察する。抗生物質は病原菌(一般細菌)に対しては効果を発揮するが、ウイルスに対しては無効だ。風邪のウイルスを治癒する唯一の方法は、そのウイルスに対する抗体を自分自身の免疫力で作ること。心臓や肺などに重大な基礎疾患がない限りは、いきなり細菌性肺炎を起こすことは考えにくい。必要のない患者さんにまで抗生物質を投与すると、耐性菌の発生という新たなリスクが生まれる。実際、ここ数十年、人類は耐性菌との戦いを重ねてきている。より強い薬を開発すると、より強い耐性を身に着けた細菌が生まれる。処方せんがなくても抗生物質が購入できる途上国などでは、耐性菌の拡大が深刻な問題になっている。だから、日本を含め多くの先進国では、抗生物質の不適切処方(たとえば風邪に対する抗生物質の処方など)が監視され、制度によっても制限されている」
と説明しており理解できます。
私は日本の開業医のレベルの低さに問題を感じます。会社員の頃は開業医に行くことが無かったので、開業医の実態を知りませんでしたが、退職後開業医にかかることが多きなり、開業医のレベルに不安を感じています。例えばお腹が痛くて受診しても問診は数語で「では薬を出しておきます。これで様子を見て下さい」となります。検査は一切なく、診断名も言いません。まるで占い師のようです。たぶん経験的にお腹が痛い場合の処方が確立しており、効くと思われる薬を順番に処方しているものと思われます。1番目の薬が効かなければ次に2番目の薬を処方し、2番目の薬が効かなければ3番目の薬を処方し、3番目の薬が効かなければ大病院に行かせるという順番になっているように思われます。これではスーさんのように手遅れになる患者が出てきます。日本の今の医療システムでは手遅れになる事例は相当出てくると思われます。
また開業医は王様であり、診断結果に誰のチェックも入りません。そのため診断が正しかったのか間違っていたのか検証されることがなく、進歩がありません。現在の国民保険制度では、下手な医者も上手な医者も診療報酬は一緒であり、上手くなるインセンティブがありません。そのため技術的に不良な医者や人格に問題がある医者が溢れています。スーさんの死亡は台湾や中国さらにはアジア全体に日本の医療レベルが高くないことを認識させることとなりましたが、日本人こそこのことを認識する必要があると思われます。