慶大塾長伊藤公平は若者殺しの国賊
国立大学の授業料を約3倍の150万円に引き上げることを提案している伊藤公平慶応義塾塾長が3月10日付で中央教育審議会委員に再任されたことについて、丸山達也島根県知事が3月12日の定例会見で、
「授業料を引き上げるという宣言と同じだと思う」
「そんな人事をする神経が分からない」
「そういう政策(授業料引き上げ)を進めようとする文部科学大臣は失格」
「文科大臣は国賊だと思う。国を滅ぼそうとしているのか」
「こんなことを仕組んだ人たちを、国賊を討伐しなければいけない」
「石破総理に、政府にいる国賊を討伐してもらいたい」
と発言したことが注目されています。複数の新聞で報道されていますから新聞記者も共感するところがあるようです。私は伊藤塾長の発言をこれまでずっと批判してきましたので、援軍を得た思いです。丸山知事の発言を報じた新聞記事を掲載したヤフーニュースのコメントを見ると丸山知事を支持する書き込みが圧倒的多数です。その理由を見ると
・伊藤塾長は150万円と言う金額が一般家計に占める重さを分かっていない
・150万円なら子供を大学に行かせるのは不可能
・大学が富裕層だけのものとなる
・奨学金を得たとして4年間で600万円の借金背負ったら人生真暗
・日本が戦後産業復興を遂げたのはほぼ無償の国立大学があったから
・国立大学授業料引き上げに伴って日本の産業競争力は没落している
などが上げられています。丸山知事は安い国立大学授業料があったから大学に行けた口であり、これがなければ人生暗転していたと言っていますが、同じ境遇の人の書き込みが多いように思われます。一方若者の書き込みが少ないのは、お金の苦労を知らないせいでしょうか。
この問題は2024年3月27日に開かれた文部科学省の中央教育審議会「高等教育の在り方に関する特別部会」で慶応大学の伊藤塾長が国立大学の授業料を今の約3倍の年間約150万円に値上げするよう提言したことに端を発しています。伊藤塾長は「欧米の大学の授業料は学生一人当たり年間300万円以上」であり「高度な大学教育を実施するには、学生1人当たり年間300万円は必要」と主張しましたが、これは嘘です。これは米国と英国の有名私大(ハーバード、スタンフォード、オックスフォード、ケンブリッジなど)に当て嵌まることであり、米国の大学生の約70%は州立大学に通っています。また欧州大陸の国(フランス、ドイツ、オーストリアなど)では国立大学主体でほぼ無償となっています。アジアを見れば中国は10万円台、韓国と台湾が国立で20万円台、私立で30万円台です。これを見れば伊藤塾長が自分の主張に不利な情報を隠蔽していることが分かります。伊藤塾長は物理学者のようですが、物理は厳格な実体学問であり不都合な事実を隠ぺいした主張は許されない世界です。塾長になって詭弁家に転向したのでしょうか。
伊藤塾長の国立大学授業料を150万円に引き上げるべきと言う主張が如何に荒唐無稽のものであるかは、日本人の生活を見れば分かります。日本人会社員の平均年収は約460万円(2024年度)であり、公的負担(税金+社会保険料。約50%)を指しい引くと約230万円しか残りません。これだけを見ても年間150万円の授業料負担の重さが分かります。というより負担不可能です。ならば学生が負えばよいということかも知れませんが、授業料だけでも4年間で600万円のローンを負うことになり、返せない人が多数出てきます(半分はローン破綻)。たぶん150万円でもなんとかなるのは年収1,000万円を超える世帯です。これでも公的負担を除くと500万円の手取りですから、家族の生活はギリギリです。「150万円別にいいじゃない」と言えるのは年収2,000万円以上です。慶大に進学している学生でも半分の世帯だと思われます。
要するに今の収入状態で授業料を150万円に引き上げるのは家計の経済状況から不可能と言うことになります。大学に進学する学生は今の半分に減り、大学の半数が無くなります。
それ以上に日本の産業競争力の低下が深刻になります。日本は1990年以来GDPがほとんど伸びていませんが、これは国立大学の授業値上げと関連性があります。この間国立大学の授業料は年間3万6千円から64万2,960円(約18倍)に引き上げられており、国立大学にも進学できない学生が増えています。さらに進学できたとしてもアルバイトに明け暮れることになり、大学は在籍しただけ、卒業証書を貰っただけの効果しかなくなっています。文系はこれでも良いのですが、理工系の場合、大学での基礎教育がその後メーカーの研究開発力に繋がるので、メーカーの国際競争力の差になって現れます。現在日本の製造業は中国、韓国、台湾に抜かれ差を広げられています。韓国サムスン電子は松下電器から学びましたが、今では日本の企業から学ぶものは無いとと言っています。シャープは台湾の鴻海精密工業に買収され、TSMCが熊本に工場を作ることが大歓迎されています。サムスン電子や鴻海精密工場、TSMCの研究開発陣は世界中から集めた理工系のドクターが主力であり、日本のメーカーは頭脳で太刀打ちできなくなっています。中国は製造強国を目指し世界中から理工系の頭脳を招聘していますし、理工系大学では企業が奨学金を出して人材の育成に努めています。その結果家電ではサムスン電子を追い越す勢いですし、電気自動車ではBYDが世界一のメーカーになっています。要するに製造業の優劣は大学教育で決まるのであり、日本も理工系は無償にして優秀な人材を育てる必要があります。こんな中欧米の有名私立大学の授業料を挙げて国立大学授業を150万円に引き上げよ(この先には私立大学授業料の引上げがある)というのは、日本の若者を殺し、ひいては日本を滅ぼす暴論であり、慶大塾長伊藤公平は国賊と言えます。