社外取締役の大掃除が必要

3月11日日産が新経営体制を発表しました。内田社長と3人の副社長が交代し、46歳のエスピノーザ商品企画担当役員が社長、それを外国人役員が支える体制となりました。これを見て日産の約36%の株式を所有するルノーの指名かと思ったら、そうではないようです。というのは、エスピノーザ社長ほかこれを支えるカルティエ氏、マー氏は日産生え抜きであり、ムニエ氏はルノーとの関係はなく、パパン氏が一時ルノーに在籍していたことがあるくらいだからです。要するに、日産生え抜き外国人社員による経営体制と言えます。ゴーン氏逮捕後ゴーン氏の経営体制が批判され日本人による経営体制になりましたが、それが余りにも無力だったため、日本人による経営チームは期待できないとなったものと思われます。しかし経営チームを組むこととなった外国人も内田社長を支えた幹部であり、彼らが経営陣に昇格することには批判も多いようです。これを決めた日産の取締役役会は12人で構成され、8人が社外取締役となっています。日産の経営がここまで悪化したのは、取締役会の経営監視が機能しなかったためと思われていますが、取締役は誰も責任を取っていません。8人の社外取締役の経歴を見ると自動車メーカー出身者はおらず、他業界の、それも経営者を引退している人が多くなっています。他業界ですから自動車メーカーのことが分かるはずがないし、経営者を引退していますから判断力が低下しています。今回の日産の問題では、そんな人たちに会社の命運を左右する重要な判断を任せていいのかという問題が浮上しています。

実は最近社外取締役が多い会社で問題が発生しています。直近ではフジテレビで、親会社であるフジメディアホールディングの取締役会は、全取締役17名のうち7名(約41%)が社外取締役です。昨年問題になった損保ジャパンの親会社損保ホールディングでは、15名の取締役のうち12名が社外取締役(独立社外取締役)でした。社外取締役が多くなっているのは、社員から昇格した取締役(社員取締役)は社長から引き上げられたため取締役の重要な使命である経営のチェック機能が果たせないからと言われています。それでは法律上社外取締役を置くことが義務付けらえているかと言うとそんなことはありません。上場していなければ置く必要はありません。しかし上場会社においては上場ルールで独立取締役(利害関係のない取締役)を1人置くことが義務付けられ、2名上置くべきあるとされていることから、2名以上社外取締役を置いています。良く上場企業が女子アナやスポーツ選手を社外取締役に選任したことがニュースになりますが、この要件を満たすためです。2人以上なら何人置こうと良い訳で、巷間社外取締役や独立取締役は人数が多いほど経営の透明性が高い良い会社と言われることから、損保ホールディングや日産のように社外取締役や独立取締役の割合が多い会社が出て来ます。社外取締役の選任資格はありませんが、経営チェック機能や会社の重要な事項を承認する権限が与えられていることを考えると、社員取締役を上回る取締役経験や判断力が必要となると考えられます。それも判断力は毎日判断が求められる現場にいないと維持できませんから、現役を退いた人は適さないとことになります。そうなると適任者は極めて少ないことが分かります。多くの社外取締役を置いている会社を見ると、社外取締役の適正に疑問がある人が多いのが実体です。取締役会の判断が間違っていて会社に損害が生じた場合、議案に賛成した取締役は損害賠償を請求されることがあるのですが、それも会社の規則で年収分に制限されるケースが殆どですし、更には役員賠償保険に加入しているケースが大部分です。この結果、実質的に社外取締役はノンリスクになっており、勤務日数の少なさ(月1日または3カ月に1日)と相まって魅力的な職業となっています(年収600万円~)。現状これを魅力に駄馬が集まっている状態と言えます。

今回3つの会社では社外取締役が無意味な存在であることや、会社の運命を左右する決定をさせるには危険な存在であることが分かったことから、株主は今年の株主総会で社外取締役の大掃除をする必要があります(意義が認められない候補はどんどん不信任にする)。