日銀の上場は東証の暗部・株式市場の恥部

東京証券取引所(東証)が上場維持基準に到達していない企業に適用してきた猶予期間が3月31日(3月期決算の企業)に終了し、2026年3月末までに改善しなければ、同年10月1日に上場廃止になります。プライム(55社)とスタンダードの上場企業だけでも未達は200社程度あり、上場廃止になる企業も出てくるとのことです。

東証では、2022年4月に市場区分の見直しに際し、従来の市場区分の上場維持基準と比べて一部基準が厳格化されたことを踏まえ、見直し前から上場している会社については経過措置として緩和した基準を適用してきました。今後は本来の上場維持基準に適合しない状態となった場合、原則として1年の改善期間に入り、改善期間内に基準に適合しない場合は監理銘柄・整理銘柄(原則として6か月)に指定後、上場廃止となります。これって余り話題になっていませんが未達になっている200社およびその株主にとっては重大事態です。
上場維持基準で比較的ハードルが高いのが、オーナーなど固定株主以外の流通している株式の時価総額である「流通株式時価総額」のようです。

スタンダード市場で10億円以上、グロース市場で5億円以上という基準は、固定株主比率が50%としても時価総額が20億円以上あればクリアできますが、プライム市場の100億円以上は、これまで背伸びをしてプライムに上場していた企業には非常に高いハードルとのことです。また、プライム市場の売買高「1日平均売買代金が0.2億円以上」も企業側がコントロールできないため高いハードルのようです。

そこで上場を廃止する企業も出てくるようですが、東証にはそもそも上場しているのがおかしい企業があり、東証は先ずこの企業の上場廃止から始めるべきです。この企業と言うのは日本銀行(日銀)です。日銀が上場していると聞いて驚いた人も多いと思われます。株式の銘柄コード8301で検索してみて下さい。日銀が出てきます。しかしプライム、スタンダード、グロースに分けられる所属市場は空欄になっています。2022年4月からの市場改革で日銀はどの市場にも該当しないことから、市場区分なしのまま上場を続けているようです。

日銀は他の上場企業のような会社法に基づく株式会社ではありません。日本銀行法という特別法に基づき設立された認可法人です。資本金1億円ですが、株式ではなく出資口数(1口100円。売買単位は100口1単位)となっています。そして日銀の出資口数の55%は財務省が持っています。その他の45%は個人となっています。株主総会に代わり出資者総会があるようですが、議決権はないようです。やっているのかどうかも分かりません。出資者の経営参加は禁止されており、配当も資本金の5%(500万円)に制限されていますから、出資口は定期預金のようなものとなります。日銀は多額の国債を保有しているから、その金利収入で内部留保が蓄積し、1口当たりの純資産(残余財産)が大きくなっていると思われますが、日銀の利益は必要経費と配当を除いて国庫に納付することになっており、そんなことはありません。従って出資証券所有者にとっては余りメリットがありません。また日銀は株式市場で資金調達をすることもありませんから、日銀にとっても上場していることのメリットはありません。ではなぜ公開したのかというとそれは日銀には設立当初から国債を保有する役割が予定されており、そのためには日銀が政府(国)から独立した法人でないと困るからです。上場は日銀が独立した法人であることを主張するには都合が良いのです。財務省の子会社だと日銀は国の一部(機関)となり、国債の発行者(財務省=債務者)が国債の保有者(日銀=財務省=債権者)となって、債務者と債権者が同じ主体になってしまい、経済原則が成り立たなくなってしまいます。このため大蔵省が東証に指示して無理やり上場させたものと思われます。即ち裏口上場です。これは東証の暗部であり、日本の証券市場の恥部ですから、日銀は速やかに上場廃止にする必要があります。