テレビのハラスメントコメンテーターは排除すべき

3月31日フジテレビの第三者委員会の報告書が公表されましたが、大変好評のようです。好評な理由は、内容が関係者からのヒヤリングや関係者のメールのやり取りなどの事実で構成されて入り、誰が考えてもそうなるというような認定になっているからです。今回の調査のポイントは、

  1. 被害者X子さんが中居氏に誘われて中居氏の自宅に行ったことがフジテレビの業務と関連があるかどうか
  2. フジテレビの経営陣の対応は適切であったかどうか

ということでした。1については2023年6月に事件が起きて以降、X子さんを中居氏自宅でのバーベキューに誘ったフジテレビ制作部長が事件後中居氏から相談を受けて動いていたことから、業務と関連ありとされました。2については、報告を受けた経営陣が経緯を良く調査せず、番組制作への影響を考慮し、X子さんへの支援をその上司であるFアナウンス室長に任せきりにしたことから、経営陣の対応は不適切であり責任は免れないとしました。

このような事件は大物タレントが引き起こした事件でなければどこの社内でも起きていると思われます。数年前テレビ朝日でも報道ステーションのディレクターがフィールドレポーターの女性アナに交際を迫ったという事件がありました。この際にはその女性アナが窓口(上司?)に訴えた結果、会社は当該ディレクターを処分(担当を外した)しました。

本件の場合、中居氏がフジテレビで放送中の番組のMCであり、この事件が明るみに出れば番組に大きな影響を与えるという背景があったため、1社員に過ぎないX子さんを切り捨てようという判断が働いたものと思われます。

第三者委員会は、今回の事件はフジテレビの体質から生まれたものと考えて多くの社員に会社の問題点についてヒヤリングしています。その結果、事前に噂されていた女子アナをスポンサーや芸能事務所の接待に駆り出すことは相当行われていたようです。しかしこれはどこの会社でも営業部門や宣伝部門では行われていることであり、フジテレビだけ特殊というわけではありません。放送業界はキャスティング権限を持っている人が強いことから、もっとパワハラが出てくると予想していましたがあまり出て来ていません。1つだけ出ていたのはプライムニュースの反町キャスターのパワハラで、同氏は確か昨年フジテレビの番組内でパワハラが問題になり、BSフジのプライムニュースに戻ってきた人であり、更に前科があったようです。これがフジテレビの実体だとすれば、フジテレビは意外とパワハラは少ないように思われます。雰囲気的には日本テレビやテレビ朝日が多そうです。

今後フジテレビは変わると思われますが、視聴者として1つだけフジテレビに直して欲しいことがあります。それはコメンテーターのハラスメント、コメハラです。コメンテーターの中には自分が気にくわない人をボロクソに言う、一方的に自分の主張を繰り返す人がいます。このコメンテーターはこれを自分のスタイルとし、番組としても視聴者の意識をかき回す(賛同と反感を引き起こす)役割を期待しているようですが、相手への敬意を欠いていること、ハラスメントを増長することを考えれば、こういうコメントテーターの出演は排除すべきだと思われます。