肥薩線復旧費用400億円は熊本県民が負担すべき
2020年7月の九州豪雨で被災したJR肥薩線を巡り、熊本県とJR九州は3月31日、同区間の15駅のうち3駅を廃止して2033年度頃に復旧させることで合意したという報道です。返す返す馬鹿な合意だと思います。理由は復旧しても乗る人がいないからです。人吉からの人の移動は車が中心になっており、かつ八代を経由しなくなっています。そのため豪雨で不通になる前の肥薩線は10億円近い赤字となっていました。不通後は肥薩線なしで経済や生活が回っており、何の普不都合もないはずです。沿線の住民にとっては、たまに聞こえた列車の動く音が聞こえなくなり、また列車の姿が見えなくなり、寂しいくらいだと思われます。おそらく人吉市民や沿線の住民に本音でアンケートをとれば、もう肥薩線は必要ないという人が過半数を超えると思われます。これが復旧になった最大の原因は、蒲島知事の贖罪意識です。球磨川洪水によって大きな損害が生じたのは、蒲島知事の川辺川ダム建設計画中止と言う歴史的な誤判断が原因であり、蒲島知事はこの贖罪(お詫び)として肥薩線を復旧したかったのです。JR九州はBRT(線路を道路化しバスを走らせる)への転換が考えましたが、最後は地元出身の後藤衆議院議員(元国交省副大臣)や蒲島知事と親しいJR九州石原元社長会長らがJR九州現経営陣を復旧で押し切ったようです。
復旧したとしても肥薩線沿線は今後急激な人口減少が予想されており、肥薩線は大幅な赤字路線となります。そのため鉄道設備は県が所有し維持管理することとし、かつ運営赤字の大部分も県が負担することとなったようです。たぶんJR九州の負担は0となります。この結果県が負担する赤字は肥薩線復旧当初(2033年)約10億円で、その後毎年1億円増えるような数字になると思われます。これは県の他に使える予算がこの分削られるということであり、県民全体にとっては馬鹿馬鹿しいお金の使い方です。日本では予算額が税収などの歳入額を毎年30兆円以上上回る状態が続いており、これを埋めるため1,300兆円以上の国債残高があります。これを若い世代が返済しなければならないのですが、若者の人口は大きく減少することから不可能と考えられます。その結果どこかの時点で日本は破産国家となることが確実です。これを防ぐためには無駄な支出を削る必要があり、肥薩線復旧費は間違いなくこれに入ります。それでも熊本県民が肥薩線が欲しいというなら、肥薩線の復旧費用(当初の見込みでは235億円。現在および将来の物価の上昇を考えると400億円を見込むのが妥当)は熊本県民が負担する必要があります。熊本県民150万人が1人年間1,000円を30年間負担すればよい計算になります。今後赤字施設の建設については、建設費用を地元住民で負担することにして、地元住民の本気度を確認する必要があります。