マスコミ人はみんなナベツネや日枝氏になりたい

マスコミ界の巨人と言えば前読売新聞主筆の渡辺恒雄氏と最近まで話題になったフジメディアホールディング取締役相談役の日枝久雄氏だと思われます。渡辺氏は昨年12月に98歳で亡くなるまで読売新聞の取締役主筆を務め、長い間日本最大の発行部数を誇る新聞社の最高権力者に君臨しました。その権力の源泉は読売新聞政治部記者として政界に張り巡らした人脈であり、特に自民党の中曽根康弘元首相との交友関係が深かったようです。一方日枝氏は1980年代フジテレビの番組制作者を務め、バラエティ番組をヒットさせ、フジテレビをテレビ業界トップに押し上げた立役者と言われています。その後フジサンケイグループのオーナーとして君臨していた鹿内一族を追放、自ら社長に就任し長期政権を築きました。日枝氏になってからフジテレビは縁故採用が増え、毎年有名人の子弟の入社が話題になりました。そして父兄同伴入社式を行うなど浮世離れした社風になりました。そこから世間ではちょっとおかしい会社と見られていたのですが、それが昨年中居氏問題で噴出したと言えます。

中居氏問題ではフジテレビの経営陣が記者会見を開きましたが、テレビ局でありながらテレビカメラを入れなったこと、被害者の社員よりも中居氏を守ったように見えたことから大きな批判が起きました。その結果フジテレビはテレビカメラを入れたエンドレスの記者会見を開きました。そこで明らかになったのは、無秩序に自己主張を繰り返す低レベルのマスコミ人の存在でした。これはジャニーズ事務所事件の記者会見でも見られた現象でした。これについてネットの書き込みを見ると「オールドメディアのレベルの低さが良く現れていた」という声が多く見られました。

昨年斎藤兵庫県知事を巡る事件でもマスコミは、斎藤知事追い落としを図る県議会議員および20年続いた井戸田知事時代に主流派に属し斎藤知事になって主流派から外れた県庁幹部と組んで斎藤知事悪人キャンペーンを展開しました。これを見ると議会および県庁の記者クラブ所属の記者は議員や県庁幹部との付き合いが長く、利害関係を共有しているように思われます。その結果、記者が書く記事は報道記事と言うよりは私怨記事であり、読むに堪えない内容となっていました。これら記事の読者はだんだん気持ち悪くなり、じっと1人耐えて綺麗なお辞儀を繰り返す斎藤知事に信頼を深めて行きました。そして斎藤知事の奇跡の再選に繋がったのですが、その当時の記者はそのまま残っており、今でも斎藤知事批判の記事を書き続けています。これは斎藤知事が記者に跪くまで止めないと思われます。記事を書くたびに所属する新聞社の販売部数が減るにも関わらず、にです。こんなことを許す新聞社は不思議な会社です。

これを見るとマスコミ人は自分の主張を多くの人に受け入れさせようとしている、多くの人を自分の主張で屈服させようとしていることが分かります。この結果ナベツネや日枝氏は生まれたのであり、マスコミ人はみんなナベツネや日枝氏を目標にしていると言えます。