フジテレビは株主総会を生中継すればよい

フジテレビの取締役構成にメスが入りそうです。米投資会社ダルトン・インベストメンツは4月16日付の株主提案書で12名の取締役候補を提案しています。その中にはSBI代表取締役会長の北尾吉孝氏が入っており、北尾氏が黒幕のようです。SBIは2021年12月に新生銀行にTOBを実施し子会社化しました。その際にもいくつかの投資会社が登場し、TOBの成立をサポートしました。特に村上ファンド系の会社は子会社後も株式を保有し続け、SBIと密接な関係にあります。今回もフジメディアホールディング(FMH)の株式を12%程度買い占めており、SBIの別動隊として動いていることが伺えます。北尾氏もメディア事業への興味を露にしており、要求を聞かなければTOBも辞さずの姿勢が見えます。FMHは要求を検討する姿勢を見せており、相当譲歩することになりそうです。FMHは不動産と株式で数千億円の資産を有しており、放送事業ばかりでなく資産的にも魅力的であり、新生銀行など資産ビジネスを強化しているSBIにとっては絶好のポートフォリオとなります。こうなるとFMHはヘビに睨まれたカエル状態と言えます。

フジテレビにとってこの状況は絶好の放送コンテンツとなります。本件に関数する情報をいち早く入手できることから報道に使えますし、テレビコンテンツとしては株主総会を中継すれば高視聴率を稼げます。フジテレビは中居事件に関する説明会をエンドレスでテレビ中継し高視聴率を叩きだしたことから、この手の中継が優良コンテンツであることに気付いていると思われます。今回は投資会社から取締役選任に関する提案がなされ、登場人物も注目されることから、世間の注目度は高いと思われます。これまで株主総会の中継は一度も行われていないことも魅力的です。中継ではこれまで2回の説明会での反省を生かし、質問者の顔が見えるような舞台を用意します。そうすれば前2回の説明会のように荒れることもなくなります。この場合、テレビで放映することについて株主の了承が必要ですので、招集通知にその旨記載しておく必要があります。これによりフジテレビが変わったことおよびフジテレビの今後の方向性をアピールすることが出来ます。ぜひ実現して下さい。