減税=政府支出の削減でしょう?
立憲民主党は4月25日、食料品などにかかる8%の消費税率を来年から1年間だけ0%に引き下げる政策を、夏の参院選の公約にすることを決めました。立憲民主党は昨年10月の衆院選で、中低所得者の消費税負担を軽減する「給付付き税額控除」(低所得者に対して、必要最小限の消費支出にかかる消費税相当額を家計調査から計算し、その金額を所得税から税額控除して給付する)を公約に掲げており、食品消費税0%の公約はこの「給付付き税額控除」を導入するまでのつなぎの措置と位置付けています。
野田代表は、民主党政権下で首相を務めていた2012年に、民主党が政権をとった選挙前の公約(消費税は引き上げない)を反故して自民、公明両党との3党合意で消費税率を段階的に10%に引き上げることを決めた人です。その後も財源のない減税には反対と明言しています。それが今回消費税を0%にすることを立憲民主党の公約に入れることを認めたのは、「どうせ実現しない」と見越してのことと思われます。立憲民主党の創設者であり、党内に野田氏と2分する勢力を持つと言われる枝野衆議院議員は4月12日「減税ポピュリズムに走りたい人は、別の党をつくればいい」と言っており、野田代表が減税を公約に採用すれば枝野氏と対立することになると思われましたが、何の問題も生じていません。この裏では野田氏から枝野氏に「どうせ実現しないから」という話があったことが伺われます。このことは維新の吉村代表も野田氏は「減税を本気で実現するつもりがない」と言っています。おそらく有権者の大部分がそう思っています。野田氏は民主党政権で歴史的な大嘘をついており、噓の常習者です。あのナマズのような顔は有権者を騙す苦悩を象徴しています。
自民党内にも参議院選挙対策として立憲民主党と同じ主張が多いようですが、財源重視派が押し留めているようです。立憲民主党や自民党の減税反対派は、減税するのならその分の代替財源を明示するよう求めていますが、考え方が間違っています。減税するのに代替財源は必要ありません。その分支出を減らせばよいのです。このことは家計を考えれば明確です。収入が減るのですから支出を減らすしかありません。食品消費税を0%にすれば約5兆円の税収が減ると言われていますので、約5兆円支出を減らせばよいのです。そしてこれは簡単にできます。私なら医療費を減らします。先ず月2万円までの医療費は全額個人負担とします。2万円の超える場合だけが3割負担です。今は最初から3割負担なので軽微な症状でも病院に行っています。同じような効き目の薬でも病院で貰った方が薬局で買うより安いから当たり前です。それに慢性疾患の場合病院に行っても毎回同じ薬の処方箋を出すだけですが、これで毎月数千円の診療費が掛かっています。慢性疾患の薬は薬局で受け取れるようにすれば年間数千億円の診療費が削減できます。これらで数兆円の医療費削減になるはずです。
医療費の次は老人介護福祉費を削ります。消費税は社会福祉費に充当することになっており、消費税が減れば老人介護福祉費が減るのは当然です。従って食品消費税の減税は、この税収が充当されているサービスを減らすこととセットであり、有権者はどちらが良いか選択することになります。シンプルな選択であり、これが民主主義というものです。