医者の6割はAIドクターで代替できる
最近時間があれば医療系のyoutubeを見ています。看護師、薬剤師、理学療法士、鍼灸師、管理栄養士などの国家試験対策向けの番組が中心ですが、医師の病気解説もあります。私も年を取り病院にかかることが多くなりましたが、検査結果や医師の説明が良くわからずモヤモヤしていたので、本気で見ています。これを見ると医療分野も他の専門分野と同じで、しっかり学べば誰でも理解できることが分かりました。たぶん看護師国家試験なら1年独学で勉強すれば合格できると感じています。あくまで国家試験の合格最低点をクリアできるという意味であり、看護師の実力を身に付けられるという意味ではありません。これらのyoutubeを多数見ていくと医者の診断行為の大部分はAIで代替できると思えてきました。医者が診断行為としてやっていることは、体の正しいメカニズムを頭に叩き込み、患者が来た場合にそのメカニズムのどこが狂っているのかを判断することです。そこが判断できれば、処方する薬が紐づけられており、それを処方するだけです。手術が必要となる場面では医師の技術差が大きく出ると思われますが、診断の場面では診断資料が同じ(問診と検査結果)であれば大きな差は出ないと思われます。
これば正しいとすれば、医師の診断行為の大部分はAIに置き換えられます。AIに正しい体のメカニズムを記憶させ、患者が訴える症状と検査結果を入力すれば、診断結果と処方する薬がアウトプットされます。更に検査が必要な場合や手術が必要な場合はその旨が表示されます。多分のこの結果は多くの開業医より信頼性が高いと思われます。
私は定年退職後多くの開業医を訪れましたが、信頼性の低さにビックリしました。例えば腹痛で開業医に行くと、体外2つ3つ質問しただけで「では薬を出しておきます。これで様子を見ましょう」です。検査はないし、原因(診断)も言いません。どうも経験的に思い当たる原因があって、それに効きそうな薬を順番に出して行くようです。この結果たまに大きな見落としがあって手遅れになるケースが生じます。開業医は、医師免許取得後何年か大病院で研修勤務し、その際に経験した診察処方技術を持って開業します。開業後は毎日の診察処方業務に忙殺され、新しい技術を身に着ける機会がありません。それに自分が下した診察結果が正しかったのかどうかを評価する人もいませんから、向上がありません。だからベテランになると当たるも八卦当たらぬも八卦の占い師と変わらなくなります。その点AIなら新しい情報が常に更新され、その診断結果を評価するAI(または医師)がいますから、診断精度が向上して行きます。
私は高血圧で降圧剤を飲んでいるので、3カ月に1度病院に薬を貰いに行きます。以前健康診断で不整脈を指摘されたことから、循環器が専門のベット数50床の病院に行くことにしました。担当の医師は30代後半で長い間大学病院に勤務していたということでした。その前に行っていた開業医では、最初にCa拮抗薬(アムロジピン)が処方され、更に下げた方が良いとしてARB薬(テルミサタン)が処方されました。テルミサタンの効果はあまりなかったので私から服用中止を申し出ました。その後この病院に来たのですが、心電図や心臓エコー検査の結果やBNP値が高い(約200)ことから心臓保護薬を服用した方が良いと言われ、β遮断薬(カルベジロール)が処方されました。そしたら3カ月後咳が出始めたのです。そこでその医師にその旨伝え「薬の副作用ではないか」と聞きました。医師の答えは「この薬にそんな副作用はない。夏風邪ではないか(6月頃の出来事)」でした。それで安心して帰って飲み続けたら咳が更に酷くなったのです。どうもおかしいと思いネットで調べたら、呼吸器科の医師のブログでカルベジロールは呼吸器疾患では禁忌(使用禁止)になっていることが分かりました。理由は、カルベジロールはアドレナリンが結合できないよう先回りして心臓のβ-2受容体に結合して心臓の興奮を抑えることで心臓を保護するが、β-2受容体は心臓の他気管支にもあり、カルベジロールが気管支のβ-2受容体に結合すると気管支を収縮させる(アドレナリンが結合して気管支を拡大させることができなくなる)ので、呼吸器疾患のある人(過去にあった人)は呼吸困難や咳の症状が出るからと言うことです。これは呼吸器科の医師の間では常識ですが、循環器科の医師は知らない人も多いということです。これなどAIドクターなら見逃すことはないと思われます。正常なメカニズムと異常なメカニズムの判別なら人間の医師よりAIの方が優れているのは当然と言えます。
こう考えると医師の多くはAIに置き換えることが可能であり、それが患者のためでもあることが分かります。