慶大SFCは慶大ブランドを棄損する存在かも

下記は5月30日に発表された2025年度の国家公務員総合職試験合格者の大学別ランキングです。

1位 東京大学 171名

2位 京都大学112名

3位 早稲田大学 76名

3位 北海道大学76名

5位 東北大学72名

6位 立命館大学 62名

7位 中央大学 58名

8位 東京科学大学 54名

9位 慶応大学 52名

9位 大阪大学52名

11位 東京理科 49名

12位 筑波大学43名

13位 明治大学 42名

13位 広島大学42名

15位 岡山大学41名

16位 千葉大学38名

17位 神戸大学 36名

18位 九州大学33名

19位 東京農工 31名

20位 名古屋大 24名

東大が圧倒的多数ですが過去最低の合格者数とのことです。2015年の合格者数459人に対する割合は37.2%となります。昨年は秋試験を合わせると345人が合格しており、実質的には2015年度比6割程度になっているようです。20位までを国立と私立に分けると国立14校、私立6校と圧倒的に国立が優位となります。その理由はこの試験の教養試験は5教科7科目の国立大学の入試に近いことが上げられます。私立で3教科型の入試に臨んだ学生にとっては勉強しづらくなっています。

東京の優良企業の採用ではこれと逆の構成になります。早大と慶大が1位または2位で次に東大が来ます。東大が3位なのは学生数が少ないのが原因です。その後に京大や一橋大、東工大などが来ますが、明大や上智大、同志社、立命館大なども同じくらい採用されています。一方ここにある地方の国立大学は意外と少なくなっています。

官と民いずれでも東大と京大、早大と慶大が競っていますが、この2つのグループでは能力に違いがあるように思われます。東大と京大は入試の5教科の影響から5能型で、早大と慶大は3能型(慶大は2能型という人もいる)です。東大と京大はデスクワークなら何でもハイレベルに仕上げられます。早大と慶大もかなりハイレベルに仕上げられますが、東大や京大と比べると広がりや深さがないように感じられます。企業では人間関係処理能力(コミュニケーション能力)が最も重要であり、早大や慶大はこの点で東大および京大を大きく上回ります。従って企業では早大および慶大生を多数採用することになります。

最近慶大ではSFC(湘南藤沢キャンパス)出身者がテレビなどで目立ちますが、これは慶応本学(日吉・三田)とキャンパスを分けていることから分かるように、似て非なる存在です。SFCはAO入学と入試入学の割合が半々くらいですが、AO入学では突出した能力(一芸)を重視しており、各種オリンピック出場者や候補選手、全国大会で優秀な成績を上げた者、社会活動で目立った活躍をした者などが選抜されています。例えば女子レスリングでパリオリンピックに出場した尾崎野乃香選手(環境情報学部)、同じく陸上で出場した豊田兼選手(環境情報学部)、フェンシングで出場した飯村一樹選手(総合政策学部)などです。テレビで活躍している卒業生の山崎怜奈さん(環境情報学部)は乃木坂46での活躍が認められて入学したようです。だからコメンテーターには適さず、叩かれることになります。テレビのコメンテーターでは古市憲寿氏も環境情報学部です。コメントに視野の広さや奥深さが感じられないのはこのせいです。テレビドラマ「マルモのおきて」で芦田愛菜さんの相手役で有名となった鈴木福さんは俳優としての活躍が認められての入学(環境情報学部)と思われ、今年は昨年まで宝塚歌劇団にいた有栖妃華さんが入学(環境情報学部)しています。これをみると環境情報学部はこういう人たちの受け皿として設けられた学部であることが分かります。一般入試も数学・外国語・情報から1科目選択と小論文であり、1つの能力しか求められません。これは1つの突出した能力で生きていく若者のための進路と言えます。しかしSFC出身者が社会的問題(ゴシップ)を引き起こすケースも多く、一芸選抜の問題点も浮上しています。SFCは東大および京大を5能型、早大および慶大を3能型とすれば1能型であり、芸大や美大、音大、体育大などを集めたデパートと言えます。テレビの女子アナにSFC出身者が少ないことをみると、女子アナは3能くらいないと務まらいのかも知れません。SFCは比較対象がないため偏差値も算出不能であり、ランキングも不能です。こう見てくるとSFCは学歴ロンダリング学部のようにも見えます。SFCは慶大にとって慶大ブランドを広める広告塔となる人材を集める仕掛けですが、狙いに反して慶大ブランドを棄損する存在になるかも知れません。