TBSは政府を批判できないから斎藤知事を叩く

TBSの番組「報道特集」は兵庫県の斎藤知事を親の仇でもあるようにしつこく追及しています。5月31日の放送では、元県民局長の業務上PCにあった私的情報を元総務部長が県議に漏洩した疑惑に関して兵庫県が設置した第三者委員会が「斎藤知事の指示の可能性が高い」とした報告書を出したことを取り上げ、斎藤知事を糾弾しています。特に毎回過激な言葉で斎藤知事を批判している村瀬キャスターは

「確かに何が問題か見えにくく、混乱しがちなんですけど、私は、斎藤知事が公益通報をつぶすために、要は自己保身のために権力を乱用したのかどうか、という大きな視点を忘れないようにしたいと思っている。今回の問題、『知事が指示した可能性が高い』とされた行為は単にプライバシー情報の漏洩にとどまらない重大な意味がある。元県民局長はこのプライバシー情報が公にされることを生前、とても気に病んでいましたし、その後、自ら命を絶たれています。その漏洩行為を知事の指示のもと、業務として行っていたと、元の最側近3人が口をそろえて証言しているわけですから、極めて事態は深刻です。これを停職3カ月の処分や、知事給与のカットで終わらせるのは、私はあまりにも問題を矮小(わいしょう)化していると思います」と語っています。村瀬キャスターの話の内容を見ていつも感じることは、エビデンスがないことを平気で判断の根拠にすることです。ここでは「漏洩行為を知事の指示のもと、業務として行っていたと、元の最側近3人が口をそろえて証言している」から斎藤知事が指示したと断定していますが、元総務部長と幹部は斎藤知事との協議の場で斎藤知事から「そのような文書があることを議員に共有しといたら」という発言があったから「指示があった」とし、元副知事はその旨元総務部長から報告を受けたと述べているだけです。要するに元総務部長と同席した幹部は協議の場での斎藤知事発言を指示ととったということであり、斎藤知事の意図と一致する訳ではありません。普通に考えれば違法行為となるのは明らかな私的情報の漏洩を指示する訳がありません。斎藤知事のように長い間法の執行に当たる官僚を務めてきた人ならこのことは身に染みつています。村瀬キャスターが兵庫県知事ならこんな指示するでしょうか。絶対にしないと思います。村瀬キャスターより優秀であることは間違いない斎藤知事がするはずがありません。「いやした」というなら単なる発言か指示かが分かる録音データが必要です。これを「指示した」と認定したのは第三者委員会のスタンドプレーと言えます。最近第三者委員会の根拠薄弱な認定に対する批判が大きくなっており、本件第三者委員会がそれに加わった印象です。(県職員は実績を出すのが難しく、幹部になれるかどうかは知事の覚えにかかるため、知事の顔色を窺う「ひらめ」が多い)

斎藤知事問題は兵庫県の住民自治の問題であり、兵庫県のマスコミがそれぞれの見地が批判するのは有りだと思います。しかしTBSという全国放送が何度も取り上げるのには違和感があります。TBS(報道特集など)が兵庫県のローカルな問題をまるで日本の大ごとのように取り上げるのは、国政の中心にいる政府や自民党の悪政や不正を追及できないことの代償行為と考えられます。政府や自民党を追及すれば官邸での情報が入手できなくなる、政府要人と接触できなくなる、テレビ電波の許認可に影響する、自民党幹部に話を聞けなくなることから、TBS首脳陣や政治部、報道部の横やりがあり、放送できないのは容易に想像が着きます。そこでTBS報道特集は、このような権力を持たず社業に影響がない斎藤知事を叩いて社会派硬派番組と言う看板を守ろうとしているのです。TBSの斎藤知事叩きはTBSが権力に弱いことの現れと言えます。