そのうち熊野古道にクマがでる?
最近クマに人が殺される事件が相次いでいます。7月4日には岩手県北上市でクマが人家に侵入し住民を殺害しました。7月12日の午前3時前には北海道福島町三岳の住宅街で新聞配達員がクマに襲われ死亡しています。これを見た人は「クマが人を引きずって振り回して藪の中まで引きずっていった」と言っていますから、凶悪犯と言える状態です。これでは春先山菜取りなどに山中に入った人がクマに襲われるケースが殆どでしたが、最近のケースではクマが山から下りて来て人家に近づき人を襲っています。餌を求めての事でしょうから強盗犯と同じです。強盗犯との違いはクマの方が狂暴で手加減しないことです。
私も田舎(中山間地)育ちで今は都会に住んでいますが、たまに田舎に行くと田畑がイノシシ除けの電気柵に囲われているのに驚きます。私が子供の頃はイノシシを見ることが先ずありませんでした。その頃から比べると町の人口は4分の1くらいに減っているので、イノシシは人口の減少と反比例的に増加いるように思われます。手入れされない山林や荒れ果てた休耕田が増え、イノシシにとっては生活環境が良くなったようです。それに猟師が減っています。私が子供頃は集落に何人か猟師がおり、イノシシは格好の獲物でした。しかし今では当時の猟師が亡くなり猟師不在の集落が多くなっています。だから駆除されるイノシシより生まれるイノシシが多くイノシシの増加が止まりません。
その結果イノシシは夜間を中心に田畑を荒らし、人家の周囲まで出て来ています。山に近い都会の住宅地を夜間イノシシが徘徊し、住民を脅かしている映像もあります。
これを見るとクマが人家に来るのも当然のように思われます。イノシシが多数人家近くに行くのを見れば、クマも行っても良いんだと思うのではないでしょうか。要するにイノシシの人家進出がクマの人家進出に繋がっているという見方です。これが当たっているとすれば今後人家に出没するクマは増えることになります。今の時点では北海道や岩手など北の地方でクマの恐怖が高まっており関東以西では聞きませんが、これが西に移ってくると大変なことになります。
私が危惧するのは熊野古道です。熊野古道は2004年に世界遺産に認定されてから多くの外国人が来るようになりました。私も中辺路を歩きましたが道中の多くが山の中であり、クマが出て来てもおかしくない雰囲気でした。それも歩く人が少なく、たまに出会うのは外国人です。ここでクマが現れて外国人を襲ったら熊野古道観光は壊滅的打撃を受けます。人が殺された北海道福島町や北上市では警戒が厳重になっているようですが、熊野古道などの山中の観光地でも警戒が必要になっているように思われます。