参政党は日本人のボリュームゾーンにいる

7月20日投開票の参議院選挙で参政党が躍進しました。13議席増は国民民主党と同じですが、国民民主党は昨年の衆議院選挙で28議席獲得しており(参政党は3議席)、ある程度の議席増加は想定されていました。しかし参政党のこれほどの躍進は全くの想定外です。

この理由について当初はポピュリズムという言葉で表すマスコミが多数見られましたが、その後組織がしっかりしている点に注目が移っています。党員が8万5,000人もおり、かつ毎月1,000円の会費を払っているというのですからアイドルの後援会並みの実体を持っています。自民党の党員は約103万人(2025年3月)で参政党の約12倍ですから、党員数からすれば議席は100議席以上あってよいことになります。それが3倍の39議席と言うことは幽霊党員が多いことを表しています。こういう出鱈目なことを続けてきたのが自民党であり、その咎が今回の参議院選に出たと言えます。

それと参政党の党員と自民党の党員の違いは、有権者の年齢や所得のゾーンにあります。参政党党員の年齢ゾーンは20~40代であり、自民党のそれは60代以降です。60代以降は昭和以前の生まれであり、政党と言えば自民党で、日本の良い時代も経験した人たちです。一方20~40代は日本の良い時代を経験せず、苦しい生活が続いています。それは政権党である自民党のせいと考えれば一番納得が行きます。このゾーン分けで行けば自民党と参政党の支持者は半々でもおかしくありません。これに所得ゾーンを加えると支持者は参政党が多くなります。日本人の平均所得は約450万円であり、ざっくりこれ以下は参政党支持者となります(もちろん立憲民主党や国民民主党支持者もいる)。また所得600万円でも3人以上の家族だと生活は苦しいことから参政党支持者ゾーンになります。この結果40歳以下または所得600万以下が参政党の支持者が属するゾーンとなります。

こう考えると参政党は国民の8割が属するゾーンを支持者候補に抱え、この中で若者を中心に支持者の輪を広げていることになります。創価学会が戦後成長期に集団就職で関東・関西にやってきた若者を中心に入会させ勢力を拡大したとのことですが、参政党の党員や支持者の拡大はこれによく似ています。参政党はポジショニングからすると少なくとも最盛期の公明党以上の勢力にはなり、場合によっては比較一党になる可能性が大です。