保守をアピールしたら笑われるだけ
8月15日、自民党の小泉進次郎農相や小林鷹之元経済安全保障相、高市早苗前経済安保相らが靖国神社を参拝したという報道です。
参拝の意図について
小泉氏:「不戦の誓いと、どの国であっても国家のために命をささげた方に対する礼を忘れないことは重要だ」
小林氏:「国、国民、そして平和を守り抜くために全力を尽くす覚悟をあらたにしてきた」
高市氏:「たくさんの方が国策に殉じられた。尊崇の念をもって哀悼の誠をささげた」と述べていますが、これは9月とも言われる石破首相退陣後の自民党総裁選に向けたアピールであることは周知の事実です。
7月の参議院選挙で自民党は39議席に留まり衆参両院で過半数を割る事態となりましたが、この敗因についてリベラルの石破首相になって自民党の支持基盤である保守層が参政党に流れたからと言われているため、3人は自分が首相になれば保守的な政治に回帰するという意思表明として靖国神社に参拝したと考えられます。
この選挙の敗因を聞くたびに「馬鹿じゃないか」と思ってしまいます。そもそも「保守層」なんて存在しないか、存在してもわずかな数です。自民党が「保守層」と言っているのは、終戦後自由党と民主党が競い、その後合併して自民党となってからずっと自民党にしか投票したことが無い人たちのことであり、この人たちは死去したか高齢になり選挙に行けない人が増えています。だから保守層が減るのは当たり前なのです。これは靖国神社に参拝し保守をアピールしたからどうにかなるものではありません。むしろ問題にすべきは、これまで自民党にしか投票したことが無かった(投票行動が保守的だった)一般生活者の自民党離れです。それは最近の物価高騰で生活が苦しくなった年金生活者や農家、自営業者などであり、この人たちが救済を求めて参政党支持に転向しています。たぶんこの人たちは参政党に自分の正しい居場所を見つけた気分だと思われます。
「保守層」などいう言う実体の存在しない言葉遊びを続けている自民党は、国民の笑い者になっています。