米の需要は半減している!来年は米余り問題
新米がスーパー店頭に出始めました。価格は5キロで税抜き4,500円前後が多いように思われます。2024年の新米価格と比べると2,000円くらい高いようです。袋の減り方を見るとそんなに売れているとは思えません。むしろカルフォルニア米と台湾米が売れている感じです。一方2024年度米が4,700~4,900円で売られており、在庫調整が進んでいないことが伺えます。私が普段買っているドラッグストアでは米の売り場が半減しており、あまり売れていない(在庫がないというより売れないから並べない)ことが伺えます。どこの販売店も仕入れられない状態のとき高値でかき集めており、それが在庫になっているようです。そのドラッグストアでも店頭の米を倉庫に移動していました。
昨年今年と5%を超える賃上げがあったと報道されていますが、これは大企業であり、中小企業はその半分程度に留まっています。一方食料品を中心に生活物価は20~30%値上がりしており、多くの生活者はその分購入量を減らしています。こんな中米の値段は約2倍になっており、最大の頭痛の種です。そのため2,000円前後で備蓄米が出たときは動物の餌と揶揄されながらも購入者が殺到しました。しかし最近は備蓄米が入荷しても売れない状況となっており、米を食べない生活にシフトしたことが伺えます。冷静に考えると米を食べなくても死ぬわけではなく、代替品はパンを中心にいくつかあります。朝食に限ればパン食の方が安く済み準備や後片づけが楽だし、栄養バランスも良くなっています。米の高騰はそういうことに気付かせる効果があったように思われます。
こういうことが相まって米の購入量は明らかに減少しています。今年5月の家計支出調査を見ると米の支出は昨年5月と比べ約8%減少しています。値段が倍になっているのに減少していると言うことは、購入量が半減したことを意味しています。一般家計の購買力からすると半減して当然と言うことになります。
最近農水省は米の店頭小売価格が約35,00円程度に低下したと発表していますが、これは備蓄米込みの価格であり、銘柄米は相変わらず4,700円~4,900円前後で売られており、下がった印象はありません。農水省の発表では販売数量には触れられていませんが、米の小売価格データの元となっているスーパーのPOSデータからは販売数量も集計できるはずなので、ぜひ集計して発表して下さい。たぶん販売数量の激減が明かになります。販売数量は激減しても価格が倍になっていることから、米の小売や卸売の売上高や利益は変わらないことから、困りません。販売数量が激減していても新米は当面在庫の補充に回り米余り状況は当面表面化しないと思われます。来年増産に着手した後米余りの実体が明かになり、卸の中には経営に行き詰まり資金繰りのため投売りが始まると予想されます。