日本と韓国は防衛協力まで進む必要がある

8月23日、韓国の李在明大統領が来日しました。野党系の大統領なので日本に慰安婦問題などで難癖を付けてくるかと思ったら、意外に事を荒立てない姿勢で一安心です。これには韓国を取り巻く安全保障情勢が影響しています。韓国が国境を接する北朝鮮はウクライナに派兵しロシアと血の同盟を結んでいますし、核兵器を開発済みと言われています。こんな中韓国は米軍の存在を安全保障の拠り所としてきましたが、米国がトランプ大統領になり自国中心主義を打ち出したことから、いざとなったら米軍は当てにならないことがはっきりして来ました。そうなると周りを見れば仲間になりそうなのは日本しかいません。日本も状況は韓国と全く同じです。従って韓国が友好的姿勢を示せば日本がこれに応えることは分かっていました。

石破首相との会談ではワーキングホリデーの拡大くらいしかめぼしい成果は聞かれませんでしたが、今後踏み込むべきテーマは武器装備品の共同開発および共同調達、更には防衛協力だと思われます。韓国はウクライナ戦争以降ポーランドなどに戦車や自走砲を輸出しており、武器輸出大国になっています。また防空ミサイルもサウジアラビアやイラクと輸出契約を結びました。韓国の場合、北朝鮮の脅威に直面することから武器開発に力を入れており、それも実践を想定した物になっています。西側先進国でここまで武器開発に熱心な国は韓国以外にないと言ってよい状況です。最近でもカナダの新潜水艦導入プロジェクトでドイツと共に最終候補に残っています。オーストラリアの新フリゲート艦導入プロジェクトでは韓国も応募し日本に敗れましたが、これはオーストラリアが日本との防衛協力関係を重視したためで、技術的に負けたとは思えません。半導体、テレビ、スマホ、船などの民生製品では韓国製が日本製を圧倒しており、輸出実績に乏しい日本製の武器が韓国製より優れているとは考えられません。それでも日本の場合、米国製武器をいち早く導入しライセンス生産もしていることから、韓国としても学ぶべき点があるのは間違いなく、共同開発は双方にとりメリットがあると思われます。そして共同開発した武器を日韓両国で導入すれば導入コストが下がり、補給も容易になります。日韓両国とも戦争になると武器の補給が一番問題となりますが、相互に補給することにすれば解決されます。日韓両国ともこれまで頼みとした米国が当てにならないことが分かり、どうして国を守るか模索している最中ですが、日韓防衛協力こそがその答えです。これが成立すれば過去に日本に侵略されたことがある韓国の日本に対する不信感が和らぐことになります(同じ武器を使い戦力も分かる)。日韓両国は協力し合わないと東アジアで生き残ることが不可能な状態になっています。